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【オーディオブック】A Prayer for Owen Meany(1989)オウエンのために祈りを

A Prayer for Owen Meany(1986)   オウエンのために祈りを

 

時間:26時間53分

発音:アメリカ英語

評価:5 out of 5

 

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【あらすじ】

5歳児ぐらいの身長、一度聞いたら忘れられないへんな声、ずば抜けた頭脳を持つぼくの親友オウエンを、ある日過酷な運命が襲った。ピンチヒッターで打ったボールが、大好きだったぼくの母の命を奪ったのだ。ぼくは神様の道具なんだと言い続ける彼にとって、出来事にはすべて意味がある。他人と少し違う姿に生れたオウエンに与えられた使命とは?米文学巨匠による現代の福音書。

(Book データベースより)

 

【感想】

1989年に発表された作品を今更読んでみたのですが、すごく良かったです。物語自体に独特なペースがあって、完全にストーリーに飲み込まれてしまった感じ。初めてのジョン・アーヴィング作品でしたが、波乱万丈な物語展開が特徴の作家さんらしく、物語好きな私の好みにピッタリでした。

 

物語の中心は1950年代〜60年代にかけてのアメリカ。ニューハンプシャー州で生まれ育った二人の少年のお話です。オーウェン・ミーニーは成長期をすぎても身長150cmにも満たず、声変わりもしていない変わった男の子。主人公はオーウェンの親友ジョン・ウィールライトで、1987年の現在から過去を振り返る形で物語が進んでいきます。

 

1950年台のアメリカの田舎町での生活が生き生きと描かれているのですが、しばらく読み進めると、語り手である1987年のジョンの周りに大親友オーウェンの存在がなく、これはオーウェンについての長いobituaryなのではないかと気づかされます。オーウェンはいつ、どのような形で主人公の人生から姿を消してしまうのか。その謎が最終章にむけて少しずつ明かされていくのですが、楽しい少年時代のエピソードを読んで主人公たちに愛着が湧いてしまうと未来のことを知るのが怖くて、先を知りたい気持ちとこのままここで時を止めてしまいたい気持ちのせめぎ合いでした。

 

この作品を読んで、ベトナム戦争は当時の人々にとって大きな関心事だったのだなと実感しました。1968年当時を生きていない自分にとって、徴兵されるかもしれない、戦争で死ぬかもしれない・・という底知れぬ不安は今までに体験したことのない感情でした。

 

オーディオブックは渋い男性ナレーターの声でかなりゆっくりでした。オーウェンの甲高い声が「目玉おやじ」のようで、複数人の会話でのオーウェンの声の使い分けが素晴らしかったです。この作品はオーディオブックがオススメです。

 

YL:8

語数:236,061語

 


A Prayer for Owen Meany: A Novel


オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

 

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デュッセルドルフにて。遠目から見たら犬を撫でているのかと思いきや・・犬を造ってました。

【オーディオブック】The Godfather

The Godfather (1969) /ゴッドファーザー〈上〉

時間:18時間8分

発音:アメリカ英語

速度:150語/分前後

評価:4 out of 5

The Godfather

 

 

【あらすじ】
全米で最も強大なマフィアの組織を築き上げた伝説の男、ヴィトー・コルレオーネ。絶大な力を持つこのマフィアのドンを、人々は畏敬の念をこめてゴッドファーザーと呼ぶ。そんな彼の三男マイケルは、家業に背を向け家を出ていた。が、麻薬密売をめぐる抗争でドンが瀕死の重傷を負った時、彼は、父、家族、そして組織のために銃を手に起ち上がった…
(Amazonより)

 

【感想】ネタバレあり
名作と名高い映画「ゴッドファーザー」を鑑賞したことがなかったので、まずは原作から読んでみることにしました。

 

シチリア系マフィアのドン、ヴィトー・コルレオーネは情に厚く、義理人情を大切にする男。序盤は「友達を大切に」という本か!?と思うくらいゴッドファーザーがいかに人を大事にするかというエピソードが語られます。ゴッドファーザーは、論理を展開して自分のやりたい方向に人を説得するのですが、相手がそれに従わないとなると殺ってしまうのが堅気と違うところ・・・。頼りになる懐の大きい男だけれども、あまりにも義理と人情に篤すぎてあの世界で生きていくのは大変そうです。

 

まだ映画のほうは見ていないのですが、原作と映画ではドンの死に方が違うようです。原作ではドンは引退後に庭いじりをしているところで心臓発作に襲われ、子供や信頼する部下に見守られながら「Life is beautiful」と言いのこして亡くなるのですが、映画版では誰も居ないところで孤独に死んでしまうらしいです。映画と原作でどのようにしてこの違いが生まれたのかが気になりました。

 

3部作ですが、続きは3男マイケルやコルレオーネ家のその後に続くわけではないようです。ドンがいつか言ったように、マフィア一家の子孫がいずれは政治家になることもあるかもしれない・・という3代にわたる物語を読んでみたかったかな。1作目は面白いけれど、夢中になるほどではない作品でした。

 

YL: 7.5 (概算)

語数:167,000(概算)

 

ゴッドファーザー〈上〉

The Godfather

【オーディオブック】The Buried Giant 

The Buried Giant (2015) / 忘れられた巨人

時間:11時間48分

発音:イギリス英語

速度:130語/分前後

評価:3.5 out of 5

 

【あらすじ】

アーサー王による統治後、イギリスは深い霧に包まれ、人々は忘却の世界にいた。アクスルとベアトリスの老夫婦は、居住していた共同体の人々から夜間にロウソクを使用することを禁止されたことに納得がいかず、離れた地に住む息子を頼って旅に出ることにした。ところが、息子となぜ離れ離れに住んでいるのか、どこに行けば息子に会えるのかも分からない。全てが忘却の彼方にあり、息子の顔や声さえ思い出せないのだ。それは老夫婦だけの問題ではなく、この地に住む全ての人々の記憶が曖昧だった。

夫婦は旅の途中、サクソンの戦士と孤児、アーサー王の甥であるグウェインと出会い、それぞれが自分の過去と向き合いながら、深い霧の中を進んでいく。

 

【感想】ネタバレあり

深い霧に包まれ、全てが曖昧な物語と同様、読み手も深い霧の中を手探りで進んでいくような物語でした。時代設定は、アーサー王による統治の少し後、6-7世紀頃でしょうか。ブリトン人とサクソン人はかつて争っていたものの、霧のせいで過去の記憶を無くし、現在は共存しています。

 

なぜ人々は過去の事を忘れてしまうのか、戦士と騎士がドラゴン退治に向かうのは何故なのか。物語の意味が後半まで明かされないのがもどかしいのですが、全く過去の記憶がない登場人物たちの不安な気持ちを味わうのもこの本を読む醍醐味なのかもしれません。

 

ここからネタバレ。

 

 

物語が進むと、皆の記憶を消していた“霧”の正体は、雌ドラゴンQuerigの吐く息であったことが判明します。人々の記憶を全て消すことで、ブリトン人とサクソン人の間にある民族的な諍いを忘れさせ、世界に平和をもたらしていたのでした。

 

ドラゴンを退治し、皆の記憶を取り戻す=“The Buried Giant”を掘り起こすことは必要な事なのでしょうか。ドラゴンに記憶を消されたことで、人々は民族間の諍いも忘れ、幸せそうに暮らしているようにみえます。強制的にでも忘れさせた方がよい記憶もあるのではないか・・・と本を読み終わった後も、このストーリーをどう解釈したらよいのか分からずにしばらく考えていました。

 

The Buried Giantが初めてのカズオイシグロ作品だったので、この後Never Let Me Go も読んでから改めて考えてみました。Never Let Me Goは、臓器移植提供者として育てられたクローン人間たちの物語です。彼らは寄宿学校で通常の子供たちのように教育を受けますが、20歳を過ぎると臓器提供プログラムが始まり、30歳頃までには皆役目を終えて死んでしまいます。クローンの子供たちは社会に刃向かう事も無く、静かに運命を受け入れるのです。二つの作品を比べてみると、両作品とも、登場人物たちに人生の選択権はないものの、日常生活においてはそれなりに幸せそうにみえます。ただ、「大多数の人々を幸せにする」「平和を維持する」という大義名分のもと、自由意志を奪われたとしたら、それはもう「人間」として生きているとは言えないのではないかと思いました。その反面、今世界中で起こっている民族紛争や宗教的な諍いを見ると、全人類の記憶を消し去ってしまわない限り平和は訪れないのではないかとも思ってしまうのです。

 

グルグルと考えても結論の出ない不思議な作品でした。実際にはドラゴンが現れて皆の記憶を消し去ったり、臓器採取用のクローン人間を作ったりすることなどあり得ないのですが・・・。

 

共に過ごしてきた記憶が無くても夫婦の絆は保たれるのか、来るべき別れの時が来たらどのような事を思うのか・・・等々、色々と考えさせられたストーリーでした。いい話ではあったものの、ちょっと(だいぶ?)退屈かな…。でも「あー、面白かった」「つまらなかった・・」だけではなく、生き方について考えるきっかけになる本でした。

 

YL: 8 (概算)

語数:87,500語(概算)

 

The Buried Giant

忘れられた巨人

 

【今日の一枚】

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アラスカのキノコ

【オーディオブック】A Man Called Ove

A Man Called Ove (2014)

時間:9時間9分

発音:アメリカ英語

速度:160語/分前後

評価:5 out of 5

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【あらすじ】
住宅街の見回り役を自主的に行っている59歳のOveは頑固で変わり者。近隣住民のささいなルール違反にいつも腹を立てては文句を言っている。

ある日一人暮らしのOveの隣家に若い夫婦が引っ越してきた。旦那は背ばかり高く明らかに脳まで血液が登っていないし、奥さんは3歳7歳の女の子にくわえ、臨月腹を抱えている。しかもイラン人だという。

自分以外の全てが気に入らないOveだったが、グイグイと距離を縮めてくるお隣さんと関わっていくうちに少しずつ変化が現れはじめる。

 

【感想】
切なくて涙が出ました・・・。頑固な偏屈ジジイと思われていたOve(ウーバ)の過去と現在が交互に語られていくにつれ、何故彼がここまで意固地になってしまったのかが少しずつ明かされます。

 

バカ正直で融通がきかないウーバと社会を繋いでいたものが無くなってしまった時。素直に悲しみを表現出来ないウーバの不器用さが切ないのです。

 

この世にたった一人となってしまったウーバが徐々に周囲との関係を築いていく過程が心にしみました。

 

飄々としている主人公のウーバのキャラに合わせたかのように、物語自体も淡々と進んでいくのですが、その中にもユーモア溢れる文章がところどころあり、全く飽きることがありませんでした。「人は生きたように死んでいく」という言葉を実感した物語でした。

 

スウェーデン語からの英訳。ウーバが若いころのムラ社会的な陰湿さ、職場でのいじめや心理描写など、そのまま舞台が日本でも通用しそうです。

 

ミレニアムシリーズ、100歳老人も良かったので、北欧小説をもっと読みたいと思わせてくれた一冊。

A Man Called Ove (English Edition)

YL: 8 (概算)

語数:80,000語(概算)

 

【今日の一枚】

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Renoで見かけた落書き

 

【オーディオブック】To Kill a Mockingbird

To Kill a Mockingbird

Written by: Harper Lee

Narrated by: Sissy Spacek

時間:12時間17分

発音:アメリカ英語。南部訛り。

速度:140-150語/分前後。

評価:5 out of 5

 

 

【あらすじ】

1930年台のアラバマ。黒人青年トム・ロビンソンが白人女性を犯した疑いで起訴される。明らかに冤罪なのだが、人種差別が根強く残る南部では、黒人を弁護しただけで非難や差別の対象となってしまう。弁護士のアティカス・フィンチは、町中の人々から中傷されながらも信念を曲げず、トムの無罪を勝ち取るために戦う。

 
【感想】

To Kill a Mockingbird/アラバマ物語。絶対読めないと思っていたのに、不思議なくらい楽しんで読めた!カポーティのIn Cold Bloodを読み、映画Capoteを見て、作者のハーパー・リーとカポーティの関係を知ってから読んだのが良かったのかもしれない。

 

今回聞いたのは、Sissy Spacek朗読のオーディオブック版。南部訛りと気の強い女の子らしい語り口で、まるで物語に生命が吹き込まれたようだった。アティカスの小学生の娘スカウトと4歳上の兄ジェム、近所の少年ディルの3人と、1930年台のアラバマの夏を一緒に過ごした気分を味わうことが出来た。きっとつまらないだろうと思っていたのだが、スカウトに感情移入してしまったのは、Sissy Spacekの朗読のおかげだと思う。

 

主人公スカウトの父、アティカス・フィンチは「アメリカの良心」として非常に人気が高いらしい。現代の常識から見れば、この物語でトムの身に起きた事は信じられないほど酷いのだが、当時の閉鎖的な南部州では、偏見を持った「大多数」の意見が正義を打ち負かしてしまうほどの力を持っていた事が衝撃的だった。

 

アティカスの娘の視点でこの物語を読むことで、謂れのない差別や中傷を受ける悔しさ、正義を貫き通すことの大切さを一層強く感じた。

 

2015年7月、55年ぶりにこの作品の続編が出版されるとのこと。1950年代、To Kill a Mockingbirdの前に書かれていたものの、お蔵入りしていたらしい。To Kill a Mockingbirdの20年後を描いた作品とのことで、続編が非常に楽しみ。

 

To Kill a Mockingbird

 

“To Kill a Mockingbird” by Harper Lee has a notorious reputation among Japanese who learns English. Many Japanese people have tried to read it in English as it was known as one of the greatest books in the 20th century, but most of them were too discouraged to continue on after the first few pages. Despite the fact that the book portrayed children and was thus recommended for young adults, it seemed too difficult for adults who were studying English.

 

I heard that one of my friends gave up the book because it was too boring. I also read Amazon reviews which said it took more than 6 months to read it. I was afraid that the book might make me hate reading itself.

 

Then, I read “In Cold Blood” by Truman Capote, and watched the film “Capote”, which featured how the book was made. In that movie, Harper Lee was portrayed as a calm, down to earth woman who supported Capote in making the novel. Capote seemed to be an ostentatious guy who sought only his fame. I wondered why this nice, intelligent lady contributed so much effort to his work. Capote announced proudly that they were childhood friends, and in her book “To Kill a Mockingbird”, a neighborhood boy Dill was modeled after him.

 

I was interested in their peculiar friendship and decided to read “To Kill a Mockingbird” at last. Conveniently, a new series of audiobooks read by famous actors and actresses were started, and “To Kill a Mockingbird”, read by Sissy Spacek, was one of them. It had a lot of positive reviews on Audible, so I chose an audio version of the book.

 

It was brilliant. Sissy Spacek succeeded in bringing the book to life. I could easily imagine a tomboyish, 6-year-old-girl Scout by her pleasant, lively, southern accent.

 

I was fascinated by the way people lived in the suburb of Alabama in the 1930s. Everyone knew everyone in the town. The doors were always open so that everyone could visit their neighbor without notice. The community was so close that it seemed rather suffocating. Scout thought that their father, Atticus, didn’t do anything because he was a lawyer, and didn’t do fieldwork as the other fathers did. Being different didn’t sound welcoming at all.

 

The case which Atticus defended was incredibly awful by today’s point of view. The black guy who allegedly raped the white girl seemed completely innocent. But he was a poor black guy, and the indicter was a white guy, even though he came from a lowly family.

 

Defending a black guy was a great offense against the community. People couldn’t criticize Atticus to his face, but Scout along with her elder brother Jem received many insults from the community.

 

I learned from Atticus through Scout that it is important to put ourselves in someone else’s shoes, and no matter what other people say, it is important to do what you think is right with your head held high.

 

What happened to the convicted black guy was shocking, and the way life went on afterward as if nothing happened was more than beyond belief. But after all, it was in the 1930s, and society was not ready to protect human rights for all people. Society has changed, and we know that all people should be treated equally, but there are still prejudices against all kinds of minority people. We could be like Maycomb community people who believed that they were right because everyone thought so. “To Kill a Mockingbird” is a reminder for us to choose the right course of action.

 

I’ve heard that Atticus was chosen as an American hero several years ago. He was more popular than Superman and other heroes with costumes. He was described as “America’s conscience”. I am glad that this book could influence my life and remind me of the importance of persevering in doing the right thing.

 

As for the relationship between Scout and Dill, who were modeled after Harper Lee and Truman Capote, it was interesting that their relationship remained intact after many years. Dill only visited their town during summer vacation, but the time they spent together had a great influence on her. He said he loved her, and proposed to her. Scout regarded him as her fiancée, even though she was only 7, and he was 8. In hindsight, I know that Capote was gay and had a boyfriend when he covered the case of “In Cold Blood”, but their childhood feelings for each other seemed real in “To Kill a Mockingbird”.

 

It was good for me to read “In Cold Blood” and watch “Capote” before reading “To Kill a Mockingbird”. Knowing them as adults helped me to understand how she cherished their childhood memories, and it led her to help Capote to write the great non-fiction novel of the century.

 

YL:8 (SSS調べ)

語数:98,429 語(スカラスティック社)

To Kill a Mockingbird


アラバマ物語

【今日の一枚】

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夕暮れ時。

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