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2014年5月のアーカイブ

【映画】The Normal Heart

現在アメリカでは110万人がHIVに感染しており、6人に1人は自分が感染しているという事に気づいていないそうです。(若い人の間では60%が感染の事実に気づいていないという報告もあり)。そして世界では、毎日6000人以上が新たにHIVに感染しているようです。

 

5月25日にHBOで放映された、The Normal Heart を観ました。これはドラマGleeのco-producerであるRyan Murphyが、ラリー・クレイマー原作の同名の舞台をもとに作成したテレビドラマです。自身もゲイであるRyan Murphyは、2009年に原作の上映権を”思わず息を呑むような”高い値段で購入したそうです。それだけ本気である事を、原作者のラリーに知ってもらう必要があったのだと。

 

1981年から1984年にかけてNYのゲイ・コミュニティーを襲った、原因不明の”ゲイだけがかかる癌”。のちに原因ウイルスが特定され、AIDSという病名が発表されるまで、何千人もの人々が亡くなりました。マーク・ラファロが演じる主人公のNed Weeks(原作者のラリー・クレイマー役)は、この病気がゲイの間で広まり始めていることを知り、仲間たちとGay Men’s Health Crisisという組織を立ち上げます。

 

政府にこの原因不明の病気をリサーチするよう働きかけ、ゲイコミュニティには性交渉で広まっている可能性があることを伝えようとします。ところが、1981年当時、ゲイへの風当たりは強く、さらに”ゲイのみに広がる病気”として知られていたAIDS患者の窮状を広く世間に知らしめることで、ゲイに対する偏見がさらに増してしまうという悪循環。

 

40台にして初めて出来た恋人であるFelix(マット・ボマー)もこの病気に感染していることが分かり、さらに強硬に政府に対して調査を要求するネッドは、事をあまり公にしたくない仲間たちからも孤立してしまいます。

 

そして恋人の死。

 

1985年に、一般の人がHIV検査を受けられるようになるまで、一体どれだけの人が自分が感染していることを知らないまま、周囲に病気を広めてしまったのでしょう。政府も問題に気づいていながらも、ゲイ以外の大多数の人には関係ない、と全く調査する姿勢を見せませんでした。エイズの恐ろしさを記事にし、NY市長を激しく非難し続けたNedの姿を通して、”クレイジー”だと思われていた当時のラリー・クレイマーが直面した怒り、苦悩が苦しくなるほど伝わってきました。今では同性婚が合法化された国や州もあり、ゲイに対する偏見も昔ほどはひどくないのかもしれませんが、今の世代が当然の権利だと思っていることは、30年前には全然当たり前ではなかったこと、Nedのように批判をものともせずに戦った人々のおかげであることを忘れてはならないと思います。

 

主人公のネッドを演じたマーク・ラファロと、その恋人であり、ニューヨーク・タイムズ紙記者のFelix役のマット・ボマーの演技が素晴らしかった。若くて美しく、生き生きとしていたFelixが病に侵され、治療法もないままにどんどん弱っていく姿を見るのは辛かったです。途中から号泣でした。このドラマのテーマはエイズですが、ネッドとフェリックスの美しく切ない恋愛物語でもあります。マットはこの役のために、4ヶ月で18kgも減量したそうです。メイクの効果もあるのでしょうが、やせ細って骨が浮き、目が濁っている姿は本当に死期が迫っているようでした。マットは、ちょうどダラスバイヤーズクラブの撮影を終えたマシュー・マコノヒーに電話をしたそうです。マシュー・マコノヒーのエイズ患者姿も鬼気迫るものがありましたが、マットの顔色の悪さは本当に健康を害してしまったのではないかと心配になるほどでした。

 

現在ではエイズに対する治療法があるとはいえ、内服で完治するわけではなく、一生薬を飲み続けなければなりません。免疫不全により様々な感染症にかかる恐れがあったり、性行為で他人に感染させる恐れもあり、一旦感染してしまうと、これまでと全く同じ生活を続けるわけにもいかないと思います。アメリカの若い世代は、健康保険に入る余裕のない人々も多く、今後もしばらくはエイズによる問題は続くのではないかと思います。監督の意図したように、若い世代がノーマルハートを観て、エイズに対する関心が高まることを願います。

 

あからさまな性描写があったり、いろんなモノが見えたりしていたので、そのまま日本のテレビで放送するのは難しいとは思いますが、内容も素晴らしく、エイズやゲイの人権に対する啓蒙効果もあると思うので、是非日本でも観られるようになってほしいです。来月のエミー賞ノミネーションにも選ばれますように…。

 

https://www.youtube.com/watch?v=XMN75Opf1_A

 

【オーディオブック】Storm Front: The Dresden Files, Book 1

Storm Front: The Dresden Files, Book 1 Written by: Jim Butcher Narrated by: James Marsters

時間:8時間1分

発音:アメリカ英語。

速度:170-180語/分前後。俳優さんによる朗読。声が素敵ですが、初心者にとっては早めかも。

オススメ度:4 out of 5

 

【あらすじ】
ハリー・ドレスデンは、シカゴで唯一電話帳に載っている職業”魔法使い”。シカゴ警察の依頼を受け、殺人現場に駆けつけると、そこには身体から内臓が飛び出し、無残に殺された男女の遺体があった。

【感想】
海外で人気の、ハリー・ドレスデンシリーズ1巻目。アーバンファンタジーのお勧めリストに入っていただけあって面白かった。ハリーは魔法使いなのだが、特に強いわけでなく、凄惨な殺人現場では吐いてしまうし、敵と対峙する時も割と簡単にやられたりする。でもそこがボロボロの貧乏私立探偵+魔法使いとしての魅力なのかも。主人公は魔法使いではあるけれど、ストーリー展開などは普通のハードボイルド小説と変わらない感じ。

 

オーディオブックを朗読しているのは、『バフィー 〜恋する十字架〜』や、『エンジェル』のスパイク役で人気を博した、ジェームズ・マースターズ。声が主人公の性格と非常にマッチしていて、役が生き生きとして感じられた。声のイメージって大事だなと実感。俳優さんでないナレーターさんと違い、読み方の抑揚が大きく、臨場感があった。心地よい声だけど、緩急ありすぎてリスニング初心者にはちょっと難しいかも。

 

シリーズ全体として評判が良いようだ。私が大好きな、The Name of the Windの作者である、Patrick Rothfussもこのシリーズを激賞していた。Goodreadsで最新刊である15巻目についてレビューしているのだが、このシリーズに対する愛が溢れすぎている。すでにシリーズ14巻目まで何度か読んでいたが、15巻目が発売されるにあたり、また1巻目から通しで読み直したらしい。さらに、発売前にどうしても読みたかったため、作家としての特権を使い、編集者に連絡して発売前のコピーを手に入れたとのこと。彼が発売前の本を手に入れることが出来たのは、おそらく彼の尋常じゃない熱意が伝わったのと、髭もじゃの大男が泣くのを見たくなかったからではないかと自ら推察している。

 

好きな作家さんの激オススメ作品ということで、とりあえず5巻までオーディオブックで聞いてみたが、回を追うごとに面白くなっていると感じた。Patrick Rothfussのレビューによると、最新刊の15巻を読んで4回泣いたとのこと。大人の男が4回泣くファンタジー本…。怖いもの見たさもあり、続きを読むのが楽しみ。

 

YL: 6.5 (適当)

語数:87,004 語(Scholastic調べ)


Storm Front (The Dresden Files, Book 1): Book one of The Dresden Files

 

【今日の一枚】アリゾナ、化石の森国立公園。景色が雄大、カラフルで美しく、お気に入りの場所。

あなたのアメリカンアクセントはどこの?

What American accent do you have? というクイズをやってみた。3分ほどで回答できるクイズ。あまり考えこまずに直感的にやってみると良いかも。

 

私の結果は、The Inland Northでした。 Great Lakes周辺のミシガン、ウィスコンシン、シカゴ周辺らしい。

 

結果をみてビックリ。8年ほどオンラインで英語を習っているアメリカ人の先生が住んでいるのがミシガン、そして去年半年ほど一緒に住んだルームメイトがウィスコンシン出身。地図に矢印をいれてみましたが、まさにInland North!!

 

8年間毎週のように話したので、いつの間にか影響されたのかも…。The Inland Northアクセントは、20世紀前半にはアメリカの標準語だったらしい。私が習っている英語の先生は、自分は標準語だ!と言っているけれども、アメリカ国内でも色んな発音があって、単語単位で微妙に違う。例えば、assume や resume. ミシガン在住の先生は、アスーム、レズームが正しいと言って訂正するけど、イギリスの人はアシューム、レジュームと言うし、アメリカ人でもアシュームの人もいる。そして、同じミシガン州の人でも、デトロイトをデトイトと、ロにアクセントを置く人、アフリカ系アメリカ人のようにディートロイトと前半にアクセントを置く人もいて面白い。

 

こちらの発音クイズとは直接関係のない話だけど、今みているThe Walking Dead というドラマ。アトランタが舞台なので、登場人物も南部訛りの英語を話します。そのなかで、Y’all という言葉が使われるのだけど、これは”あなた達”という意味で使われている。そして、セリフの中で”Hell with All Y’all! ”というのがあって、All Y’all は、Y’allのさらに複数形として使われている。南部特有の言葉らしいので、実生活では聞いたことがないのだけれど、言葉遣いや発音で、出身地が分かるまでになれば楽しいのではないかと思ったのでした。

 

【今日の一枚】アメリカの貨物列車。100両以上はありそうでした。

【書評】How To Write Anything

本屋の新刊コーナーで見つけた How to Write Anything: A Complete Guide 。ハードカバーで500ページ超と、見た目は取っつきにくいけれども、なかなかの良書。

 

この本では、日常生活や学校、仕事で遭遇するであろう、ほぼ全てのライティングについて説明されている。結婚/離婚のお知らせ、礼状、ファンレター、お悔やみ、個人ブログ、SNSレビュー、編集長への手紙、ビジネスeメール、履歴書、仕事の応募、学生のエッセイ等多岐にわたる。それぞれの場合において、考慮すべきポイント、良い文例/悪い文例、そしてそれぞれの文例で注意すべき点とその理由が書かれている。

 

また、最初にライティングの一般的な注意点、スムーズに取りかかるためのプロセスが説明されているのが良い。書く目的→読者想定→ブレインストーム→オーガナイズ→下書き→リバイズの各ステップについて詳細に述べられており、どのステップからとりかかっても大事な点を見落とさずに書くことが出来る仕組みになっている。総論で触れられたライティングプロセスは、その後の各論でも意識的に取り入れられている。このライティングプロセスを頭に入れておくと、とりあえず思うがままに書き始めてしまい、途中で何を言いたかったかわからなくなってしまうというありがちな失敗もなくなるのではないだろうか。

 

もう一つ気に入った点は、文法的説明がないこと。ライティング本には、最初に文法的な説明に多くのページを割いている本がけっこうあって、この文法部分がライティング本読破の妨げになる事が多い。その点、この本は実用的であることに徹しているので、より良いライティングのために厳選されたアドバイスのみを知ることが出来る。

 

こちらの本は、英語で高校生レベルの本が読める人が対象になるのではないかと思う。解説文が充実しており、読み物としてもかなりのボリュームがある。英語学習者にとって、初めての洋書、初めてのライティング本としては厳しそうだ。

 

3000円台と値も張るものの、通読してライティングのコツをつかんだ後は、それぞれの英文を書く機会が出てきた時に参考書として使えるので、長く役立つと思う。

 

How to Write Anything: A Complete Guide

 

 

【今日の一枚】デスバレー。

【オーディオブック】The Android’s Dream

The Android’s Dream Written by: John Scalzi Narrated by: Wil Wheaton

時間:10時間34分

発音:アメリカ英語。

速度:190語/分前後。けっこうな早口。

オススメ度:3.5 out of 5

 

【あらすじ】

地球は宇宙に進出し、様々なエイリアン国家からなる銀河連邦の一員となる。地球とニドゥ族の貿易交渉の場で殺人事件が起こり、放屁でエイリアンを殺害したことで、外交問題に発展してしまう。代償としてニドゥ族が地球に要求したのは、即位の儀式で用いる特別な「羊」だった。

【感想】

放屁でエイリアンを殺すとか…。SFなので発想は自由なんだけど、この殺人おなら兵器には驚いた。生物学的に違う種族なので、何がリーサルウェポンになってもおかしくはないのだけど…。オーディオブックで聞いたのだが、緊張高まる暗殺場面での放屁演技には脱力してしまった。

死んだ親友を元に作られたAI、詐欺から生まれた宗教団体、トカゲのようなニドゥ族の生態、そして「羊」の正体など、1つでも十分奇妙なプロットなのに、奇想天外な発想がいくつも組み合わさり、予想もつかない展開だった。フィクションとはいえ、本当にここまで常識離れしていいのか!?と微妙な感想を持った作品。

邦訳は、「アンドロイドの夢の羊」

 

YL:7.5 (概算)

語数:100,000語(概算)


The Android’s Dream


アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

 

【今日の一枚】落書き

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