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2015年9月のアーカイブ

【オーディオブック】The Buried Giant 

The Buried Giant (2015) / 忘れられた巨人

時間:11時間48分

発音:イギリス英語

速度:130語/分前後

評価:3.5 out of 5

 

【あらすじ】

アーサー王による統治後、イギリスは深い霧に包まれ、人々は忘却の世界にいた。アクスルとベアトリスの老夫婦は、居住していた共同体の人々から夜間にロウソクを使用することを禁止されたことに納得がいかず、離れた地に住む息子を頼って旅に出ることにした。ところが、息子となぜ離れ離れに住んでいるのか、どこに行けば息子に会えるのかも分からない。全てが忘却の彼方にあり、息子の顔や声さえ思い出せないのだ。それは老夫婦だけの問題ではなく、この地に住む全ての人々の記憶が曖昧だった。

夫婦は旅の途中、サクソンの戦士と孤児、アーサー王の甥であるグウェインと出会い、それぞれが自分の過去と向き合いながら、深い霧の中を進んでいく。

 

【感想】ネタバレあり

深い霧に包まれ、全てが曖昧な物語と同様、読み手も深い霧の中を手探りで進んでいくような物語でした。時代設定は、アーサー王による統治の少し後、6-7世紀頃でしょうか。ブリトン人とサクソン人はかつて争っていたものの、霧のせいで過去の記憶を無くし、現在は共存しています。

 

なぜ人々は過去の事を忘れてしまうのか、戦士と騎士がドラゴン退治に向かうのは何故なのか。物語の意味が後半まで明かされないのがもどかしいのですが、全く過去の記憶がない登場人物たちの不安な気持ちを味わうのもこの本を読む醍醐味なのかもしれません。

 

ここからネタバレ。

 

 

物語が進むと、皆の記憶を消していた“霧”の正体は、雌ドラゴンQuerigの吐く息であったことが判明します。人々の記憶を全て消すことで、ブリトン人とサクソン人の間にある民族的な諍いを忘れさせ、世界に平和をもたらしていたのでした。

 

ドラゴンを退治し、皆の記憶を取り戻す=“The Buried Giant”を掘り起こすことは必要な事なのでしょうか。ドラゴンに記憶を消されたことで、人々は民族間の諍いも忘れ、幸せそうに暮らしているようにみえます。強制的にでも忘れさせた方がよい記憶もあるのではないか・・・と本を読み終わった後も、このストーリーをどう解釈したらよいのか分からずにしばらく考えていました。

 

The Buried Giantが初めてのカズオイシグロ作品だったので、この後Never Let Me Go も読んでから改めて考えてみました。Never Let Me Goは、臓器移植提供者として育てられたクローン人間たちの物語です。彼らは寄宿学校で通常の子供たちのように教育を受けますが、20歳を過ぎると臓器提供プログラムが始まり、30歳頃までには皆役目を終えて死んでしまいます。クローンの子供たちは社会に刃向かう事も無く、静かに運命を受け入れるのです。二つの作品を比べてみると、両作品とも、登場人物たちに人生の選択権はないものの、日常生活においてはそれなりに幸せそうにみえます。ただ、「大多数の人々を幸せにする」「平和を維持する」という大義名分のもと、自由意志を奪われたとしたら、それはもう「人間」として生きているとは言えないのではないかと思いました。その反面、今世界中で起こっている民族紛争や宗教的な諍いを見ると、全人類の記憶を消し去ってしまわない限り平和は訪れないのではないかとも思ってしまうのです。

 

グルグルと考えても結論の出ない不思議な作品でした。実際にはドラゴンが現れて皆の記憶を消し去ったり、臓器採取用のクローン人間を作ったりすることなどあり得ないのですが・・・。

 

共に過ごしてきた記憶が無くても夫婦の絆は保たれるのか、来るべき別れの時が来たらどのような事を思うのか・・・等々、色々と考えさせられたストーリーでした。いい話ではあったものの、ちょっと(だいぶ?)退屈かな…。でも「あー、面白かった」「つまらなかった・・」だけではなく、生き方について考えるきっかけになる本でした。

 

YL: 8 (概算)

語数:87,500語(概算)

 

The Buried Giant

忘れられた巨人

 

【今日の一枚】

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アラスカのキノコ

アメリカでの家探し③ 距離感近すぎなルームシェア物件

アメリカでの家探し①インド人の家主さんアメリカでの家探し②家具付き物件のはずが・・の続きで、2013年の出来事です。

 

部屋探し迷走中の私を見かねて、中国出身の上司がルームシェア物件を紹介してくれました。職場近くの3ベッドルーム/2バスルームのルームシェアで、家賃は800ドル/月。このあたりの相場からすると格安です。

 

 

メールで見学を申し込んだところ早速お返事があり、仕事帰りに見学に行ってきました。アパートは昭和50年くらいに建てられたような古い建物で、ルームシェア物件には2人の中国人男性と中国人女性1人が住んでいました。カップルや親戚というわけではなく全くの他人です。今回3人目の男性が転居するにあたり、新しい住人を探しているとのことでした。

 

 

部屋を案内してくれた男性ですが、すごい経歴の方で、5歳の時に両親とともに中国からアメリカへ移住、ハー○ード大学の理系学部を卒業後、コンピューター技術関係のスタートアップに携わっているとのことでした。意識高い系の人が好んで話題にしそうな人が目の前にいる・・・と若干緊張してしまいましたが、本人はただの愛想なしさんでした。

 

 

オンボロアパートで台所用具などは共有、モノがごちゃごちゃとあって適度に散らかっているのがアジア的で不思議と落ち着きます。男女でルームシェアなんだ、と驚きましたが、800ドルなら文句は言えません。ところが、案内してくれた男性と話していたところへ新しい男性が見学に来て、私を一瞥することもなく、私と案内役の男性の間にグイっと割り込み、中国語で話し始めたのです。二人の話している内容は全く分からず。こうなると私の出る幕はありません。がんがんアピールして是非私に!と思える物件でもなかったので、“ではさようなら”と挨拶してアパートを後にしました。上司からの紹介だったので、オープンな物件ではなかったのでは?と思ったものの、新しく来た人の積極的すぎる態度には対抗できそうにもありませんでした。

 

 

1対1で話している時は英語でも、もう一人中国語話者がやって来ると中国語になる、という例は数多く経験しました。私の職場も最初はアメリカ人、フランス人、ドイツ人、日本人、中国人などがいましたが、最後の一年は中国人2人と私1人となり、私がいくら抗議しても中国語での会話となりました。さらに同じフロアに中国人のみ9人の部署があり、そこから頻繁に仲間がやって来るので、言葉も匂いもここは中国か!という環境です。「分からないので英語で話してください」と頼んでも、「あなたの悪口は言ってないから大丈夫」、「自分たちは中国語で話し合うのが一番。英語だと細かい話が出来ない」などと言って取り合ってくれません。これまでに2回、そうとう強く抗議した後だけ1週間ほど英語オンリーになりましたが、長続きはしませんでした。

 

 

今回のアパートの件は残念でしたが、その後、中国人同士のルームシェアについて聞く機会があり、“やっぱり私には向かなかったかも”と思いました。私の中国人同僚も渡米当初は単身だったので、数人の中国人男女でルームシェアをしていたのですが、全員分の料理を当番制で作ったり、週末は皆でドライブに行ったりと相当関係が密接だったのです。男性もいるルームシェアで、毎回一人が全員分の晩ご飯を作る、というのは驚きでした。美味しいか美味しくないかは別に拘らないそうです。仲が良くて楽しそうな反面、車の貸し借りのトラブルで相当揉めたりと大変そうな事もありました。他人との距離感が近すぎるのが苦手な自分にとっては、理想的なルームシェアではなかったと思います。

 

 

中国語に囲まれる・・・という状況は、仕事で無ければそれ程気になりませんし、一人一人と話すととてもフレンドリーです。同じフロアで、9人全員が中国出身という部署のボスが時々昼食を奢ると誘ってくれるので私もついて行きます。当然会話は中国語。私はグループ会話にはついていけないので、左右に座った人に英語で話しかけてお相手してもらっています。なぜ私を誘ってくれるのか謎ですが、一度年齢の話題が出た時にボスが50代と聞いて、「35歳くらいかと思ってました!」とビックリしたら喜んでいたのでそのおかげかもしれません。皆が中国語でワイワイ喋る中、一人混じってご飯を食べるのも何だかな・・・とは思ったものの、嫌ならわざわざ誘うはずもないし、誰も気にしていないので段々慣れてきました。お互い気を遣わない関係というのは、こちらが気にしなければラクでいいのかもしれません。

 

【今日の一枚】

Lodge room

理想のお部屋。オレゴンのロッジに宿泊した時に撮った写真です。赤い壁ってどうなのよ・・と思いましたが、夜になって暖色系の間接照明で照らされると素敵な雰囲気になりました。いつか自分の寝室の壁を落ち着いた赤に塗りたいです。

第7回ヴァーチャル夏休み報告

1週間ほどアラスカに行っていたので遅くなりましたが、第7回ヴァーチャル夏休みの経過報告です。

 

今回の課題は、

Art of Styling Sentences

 

150ページほどの薄い本ですが、かなり手応えがありました。単調な文章を避け、読みやすくするための20のテクニックを学ぶ本です。

 

文章とは・・から始まり、コンマやセミコロン、コロン、接続詞や修飾句の使い方などを学びました。

ライティングに関する基本的な項目は記載されておらず、いきなり各論が始まります。演習問題に答えはありませんが、説明を読んでルールに従って書くだけなので、答えは特に必要ありませんでした。

 

単純な文章をand やbut, so, などでつないでしまい、たどたどしい印象となってしまう・・・という悩みを解決出来そうな本です。

 

ヴァーチャル夏休みというきっかけが無ければ、問題集を1冊仕上げることは出来なかったと思います。良いきっかけをもらいました。

 

ヴァーチャル夏休み終了後はこれまで通り、多聴多読を続ける予定です。現在77冊目。このまま順調にいけば今年の目標100冊達成出来るかも・・・?

 

【今日の一枚】

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オレゴンで見かけたハミングバード。ホバリングで静止しているように見えます。

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