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2019年2月のアーカイブ

【オーディオブック】The Tattooist of Auschwitz (2018)

The Tattooist of Auschwitz (2018)

時間:7時間25分

発音: イギリス英語

評価: 4.5 out of 5

 

【あらすじ】

1942年4月、スロバキア系ユダヤ人のLale Sokolovはナチスによりアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所に連行された。数カ国語を流暢に話すことが出来たことから、ラーレは収容されるユダヤ人の腕に番号を入墨するTätowierer(ドイツ語でTatooist)に任命される。

1942年7月、34902番と割り振られた若い女性と出会い恋に落ちたラーレは絶対に生き延びて彼女と結婚すると誓ったのだった。

 

【感想】

最後に後書きを読むまでフィクションだと思っていたが、アウシュヴィッツを生き延びたTatooistの実話に基づいたストーリーだったらしい。すいぶんと”盛った”あらすじだと感じた恐ろしすぎる出来事が実際に過去に起こったと知り、後書きを読みながら苦しくなってしまった。

 

ナチスに任命されたTatooistとして、ユダヤ人たちに強制収容番号を入墨するラーレ。同胞を裏切るような行為だが、拒否すればその場で殺されてしまう。絶対に生き延びて収容所を出ると決意した彼は敵に逆らわず、Tatooistとしての仕事を淡々とこなしていく。仕方なくやっていることなのに、仲間たちからはナチスの協力者と思われてしまうことが心苦しく、Tatooistとしての特権やコネを活かして食べ物や医療品を入手し、困っている囚人たちに分け与えていく。

 

この作品が実話ではなくフィクションであったとするならば、主人公はナチスと徹底的に、果敢に戦いヒーローとして勝利を収めることが出来たかもしれない。しかし現実の世界では、ラーレのようにナチスとは目を合わせず言われたことだけを忠実にこなしていかないと、無意味に殺されてしまうだけ。実際にほんの些細なきっかけで大勢の人々が殺されている。どんな屈辱にも耐えて生き延びることも、力のない一般市民にとっては立派な「戦い」なのだと知った。

 

ここからはネタバレ。

現代を生きる私達は第二次世界大戦は1945年に終わり、ナチスが敗退することを知っているが、当時アウシュビッツ収容所で暮らした人々にとっては、戦争はいつ終わるか予想もつかず、生きる希望を持ち続けることさえも難しかったはず。ラーレは後年 ”If you wake up in the morning, it is a good day.”と言っていたそうで、翌日生きて目覚めることが当たり前ではない世界が終わって本当に良かったと思った。

 

リチャード・アーミティッジの朗読も本当に素晴らしくて本の世界観に没入出来た。俳優さんの朗読は、声は良いのだけど読み方が早すぎたり、上手に読み上げているだけでキャラクターの演じ分けがイマイチだったりすることも多い。リチャード・アーミティッジ朗読は収容所内のフランス人、ドイツ人、東欧系の人々の話す英語の特徴がさり気なく、でも分かりやすく語り分けられていた。強制収容された人々の抑圧された感情や静かな反抗心の表現も上手くて感動的だった。是非他の朗読作品も聞こうと思う。

 

YL: 7.5

語数:68,878語 Word Counters調べ

 


The Tattooist of Auschwitz

【オーディオブック】The Word is Murder (2018)

The Word is Murder (2018)

時間:9時間2分

発音: イギリス英語

評価: 4.5 out of 5

 

【あらすじ】

人気イギリス俳優の母親が、自らの葬儀を申し込んだ数時間後に他殺体で発見された。作家のアンソニー・ホロウィッツは、元刑事で現在はロンドン警視庁コンサルタントであるHowthorneとともに事件に取り組むこととなる。

 

【感想】

最近 Magpie Murders / カササギ殺人事件 がとても面白かったので選んでみた。

 

自分が書くミステリーに自分自身として登場するってどういうこと!?と不思議に思ったのだが、フィクション、回想録、イギリスのテレビ制作舞台裏などが絶妙に織り交ぜられていて非常に面白かった。映画「タンタンの冒険」続編の脚本を担当することになった作者と、スピルバーグ監督、ピーター・ジャクソン監督が打ち合わせしているところに、フィクションのHowthorneも出てくるところなど、どこまでがフィクションでどこからが本当化わからないほど!

 

多読初期にアレックス・ライダーシリーズが大好きだったので、作者が当時児童作家から大人向けの小説家になろうとしていたこと、作家業のほかにイギリスでTVシリーズの脚本も担当していたことなど、当時の事情を知ることが出来たのもファンとしては嬉しかった。

 

ここからはネタバレ。 Spoiler alert!

絞殺体で発見されたダイアナ・クーパーは、約10年前に不注意から轢き逃げ事故を起こし、8歳の双子の男の子のうち一人が死亡、もう一人は脳損傷を負った。ところが、「メガネをかけ忘れて前がよく見えていなかった」という理由が当時の法律では違法ではなかったため無罪となった。10年後、金に困った双子の父親がダイアナの前に現れ保障を請求、断られると脅迫まがいの言葉を残していった。

 

双子の父親による怨恨殺人ではプロットが単純すぎる。そうこうしているうちに、ダイアナの息子人気俳優Damienも自宅で惨殺される。そこからダイアナ、ダミアンの過去をたどっていくうちに俳優養成学校の同級生に行き着くというストーリー。

 

犯人は最初から登場していて少しずつヒントを残しているのに全く気づかなかった!そんな動機で三人も殺すか!とは思ったのだけれども、それだけ俳優として成功するというのは厳しい道なのかもしれない。

 

もう一人の主役Howthorneは、このご時世に憚ることなくホモフォビアな発言をするなど、かなり性格が悪く問題のある男。相棒となったアンソニーとの間にも不協和音が生じていて、とてもじゃないが共感できる要素ゼロ。ただ、今後徐々に二人の仲が変化していくのもこのシリーズの醍醐味なのかもしれないとは思った。

 

YL: 7.5

語数 81,544語 (Word Counters より)

 


The Word Is Murder:

【オーディオブック】Where the Crawdads Sing (2018)

Where the Crawdads Sing (2018)

時間:12時間12分

発音: アメリカ英語 南部アクセント

評価: 3.5 out of 5

 

【あらすじ】

Kya(オーディオブックではカーヤと発音されていた)の母は夫からの家庭内暴力に耐えられず、末っ子のKyaが6歳のときに5人の子どもたちを置いて家を出た。暴力の対象が子どもたちに移ると、Kyaの兄姉たちも一人、また一人と家出し、とうとうKyaは父を二人になってしまう。

 

沼に囲まれた湿地帯にポツンと立つあばら家に無職の父親と住み、学校にも行かずボロボロの服、裸足でうろつくKyaを街の人々はMarsh Girlと呼び差別した。

 

そしてKyaの父も彼女が10歳の時に失踪し、Kyaは沼地で一人きりになってしまう。大人たちに見つかり保護される事を恐れたKyaは、これまで通り父が家にいるフリをし、沼で貝や魚を獲りながら一人で生活していく道を選んだ。

 

そしてKyaが22歳の時、町の有力者の息子、Chase Andrewsの遺体が沼地で発見された。地元民たちがまず疑ったのは”Marsh Girl” Kyaであった。

 

【感想】

The New York Timesベストセラーに20週ランクインしており、レビューも高評価だったので選んだ本。ミステリー、女の子の成長譚、ロマンス、法廷モノのミックスといった感じ。

 

1950年台から1960年代、アメリカ南部のバージニア州やノースカロライナ州では、沼地で平均以下の生活を送る低所得者層たちをWhite Trashと呼び差別していた。劣悪な環境で家族が崩壊し、沼地で一人生活していく少女の孤独、自然の厳しさと美しさが胸をうつ作品だった。

 

ここからはネタバレ Spoiler!

軒並み高レビューなのだけれども自分の評価が星3.5なのは、ロマンス部分が苦手だったのと、兄の幼馴染に読み書きを教えてもらい本で独学しただけなのにアインシュタインを読み、沼地の生態についての本を出版するようにまでなる、というのがご都合主義すぎると思ってしまったから。

 

Chase Andrewsを殺した真犯人についての経緯は面白かった。ハンサムなChaseに遊ばれてしまった過去があり、アウトサイダーであるKyaが真っ先に疑われてしまうのは偏見だ!と読者の同情を誘いつつ、状況証拠だけで有罪となりそうな法廷シーンでドキドキハラハラさせる。そして無罪が確定してホッとし、Kyaのその後を読み進めたところで犯人はやっぱり・・・という流れ。白人、ハンサムでスポーツマン、お金持ちの息子というChaseの人物設定がステレオタイプすぎやしないか?とは思うものの、こいつなら殺されても仕方ないか・・と主人公に同情した。男性読者が読んだらどう感じるのだろう?

YL: 7.5

語数:103,641語 Word Countersより

 

 

Where the Crawdads Sing

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