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2019年10月のアーカイブ

【オーディオブック】Permanent Record (2019)

Permanent Record (2019)

時間:11時間31分

発音: アメリカ英語

評価: 4.5 out of 5

 

 

2013年、NSA, CIAが国民の同意を得ずにmass surveillance を行っているとして、何千もの国家機密ファイルをマスコミにリークしたエドワード・スノーデンの回想録。子供時代の思い出からロシア内で足止めされ、現在に至るまでの思いが綴られている。

 

回想録ではCIA, NSAの下請け社員時代のエピソードが語られていたのが興味深かった。通常であればCIA本部に勤務しているIT部門社員の話など守秘義務があって聞けないはず。スノーデンがCIA本部で夜勤をしていた時の相方は当時50台のコンピューター知識のない男性だった。夜間、何か問題が起こると翌朝日勤の人に問題があったと伝えるだけ。夜勤中は小説を読んで時間を潰していたらしい。仕事が増えて困っていた日勤者の訴えによりスノーデンが二人目の夜勤者として雇用されたようだ。

ただしその仕事の出来ない男には重要な役割があった。「コンピューターは故障するから信用できない」とのことで、CIAの地下には古いテープ式の機械があり、大切なバックアップはテープレコーダーに記録し、鍵付き金庫にしまわれていたのだ。IT部門なのにコンピューター知識が無い人間が夜間一人でCIA本部のIT部門を守っていたとは驚きだったが、スノーデンのようなハッカー技術のある若い男を一人で夜勤させると技術を悪用する可能性もあるわけで、仕事の出来ない人が「お留守番」するくらいが丁度よかったのかもしれない。

 

日本に関する記述もあった。コミュニティカレッジ時代は日本語クラスを取っていて日本アニメをよく見ていたらしい。Dellの嘱託職員としてNSAの仕事をするため、2年ほど横田基地内でも働いていた。アメリカのNSA本部がたとえ爆破されたとしても、世界中でバックアップが取れるようなシステム作りなどを行っていたとか。日本滞在中は写真が趣味のガールフレンドと共に日本各地を旅行したり、多摩川沿いで桜を見たりした思い出が語られていた。NSAのために働いている人が日本にいて普通に生活していたのは不思議な感じだった。

 

システムアドミニストレーターとして国家機密ファイルにアクセル出来る権限があったとして、それをジャーナリストに渡そうと思う人はどれくらいいるのだろう。彼は他国からのスパイでもなく、お金目当てに情報を売ったわけでもない。それでもCIAやNSAの嘱託職員という比較的末端の立場からこれだけの機密情報を引き出せたということは、本物の諜報員ならば壊滅的な被害を与えることが出来ただろう。NSAやCIAは最先端の技術や情報を駆使しているというイメージがあったが、スノーデンの回想録を読むと「意外とセキュリティがゆるそう・・」という印象を抱いてしまった。

 

”NSAとCIAは犯罪者とテロリスト容疑者だけではなく、国民全てを捜査令状なしで監視対象にしていた”。この点に関しては国民の意見を問うて議論が必要だと思う。ただ、個人の考えだけで国家機密をマスコミにリークしたスノーデンのやり方には賛同出来なかった。なぜならば彼の行為によってもたらされたメリットよりも、国に対するダメージが大きすぎると思ったから。せめて国家による監視の疑惑をに反対政党の議員に持ち込んで議論にあげてもらうとか考えられなかったのだろうか。勿論そんな生ぬるい方法では解決しそうにないことをわかった上で最もダメージの大きいやり方を選んだのだろうけれども。

 

自分のネット活動が国に監視されるのは嫌だけれど、すでに便利さと引き換えにAmazonやNetflix、Googleにはかなりの個人情報を握られている。もし私がNSAの国民監視活動を知ってしまったら、プライバシーを守る方法などを広く啓蒙する活動をするくらいか。彼のことを「国家の暴走から国民を守った真の愛国者、ヒーロー」と称える人々もいるけれど、どうしてもNSAやCIAが長年築き上げた情報網もろとも使えなくなったというダメージのほうが大きい気がした。

 

彼の主義主張には最終的に賛同出来なかったけれど、NSA, CIAの内情や、1980年代のコンピューター事情、日本に関する部分などとても面白かった。

 

YL:7.5くらい

語数:100,311語 Word Counters推定

 


Permanent Record (English Edition)

【オーディオブック】The Institute (2019)

The Institute (2019)

 

時間:18時間59分

発音: アメリカ英語

評価: 5 out of 5

 

【あらすじ】

ミネアポリスに住む少年Lukeは、ある夜何者かに拉致され目覚めると特殊な能力を持つ子供達が集められた施設に収容されていた。彼らはテレパシーやテレキネシスの能力を持っており、施設では様々な実験により子供達の能力を開花させようとしていた。

 

【感想】

キング作品では登場人物たちと自分が同じ時代を共有していると感じることが出来るところが好き。作中の世界では当たり前のように超能力を持った人々が存在していて、私たちの住む現実世界と融合している。いつの時代のセッティングなのかはっきりとは触れられていないが、主人公の一人はゲーム・オブ・スローンズのファンであり、南部州の保安官事務所にはトランプの写真が掲げられている・・・。

 

シャイニングやドクタースリープ、もしくは作者は違うけどドラマシリーズのStranger Thingsのような雰囲気を感じて読み始めた瞬間からワクワクしてしまった。

 

ここからはネタバレ。Spoiler Alert!

 

能力を開発するために子供達が拷問のような実験を受けるのが可哀想なのだけれども、そのような環境だからこそ、お互いを思いやり助け合う心が芽生える過程が素晴らしかった。

 

Lukeが脱走を試みる場面は手に汗握る展開で、17時ごろに聞き始めたらそのまま夕食も作れず、ただただ息をつめて次の展開を聞き入っていた。気づけば午前1時。体力の限界でこれ以上は無理・・・というところまで物語に惹き込まれるのは久しぶりだった。

 

今作で一応の結論は出たけれど、続編があっても良さそうな雰囲気。メイン州のInstituteは壊滅したが、謎の経営母体はまだ続いているわけだし。いつかキング先生か息子のジョー・ヒルが続きを書いてくれないかな。

 

YL: 8くらい

語数:165,300語 (推定)

 

 

The Institute: A Novel

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