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2020年2月のアーカイブ
【オーディオブック】Nothing to See Here (2019)
- 2020/02/07 9:48 PM
- Fiction>Humor
Nothing to See Here (2019)
- Narrated by: Marin Ireland
時間:6時間40分
発音: アメリカ英語
評価: 4.5 out of 5
めったに表紙買いをしないのだけれども、これは気になりすぎて迷わず表紙買い。
興奮すると体が発火してしまう10歳の双子を世話することになった女性のお話。
ここからはネタバレあらすじ。
貧しい母子家庭で育ったリリアンは学業で優秀な成績を修めたため、地元の有名寄宿学校に特待生枠で入学することになった。そこでルームメイトとして知り合ったのがマディソンだった。
裕福な家庭の末っ子として何不自由なく育ったマディソンとバスケットボールを通じて仲良くなったリリアンだったが、ある日マディソンが違法薬物を使用してたことが発覚し退学の危機に陥る。ところがマディソンの父が、リリアンの母を100万円ほどで買収し、リリアンが罪をかぶって退学することになってしまった。貧しかったリリアンにとって、良い教育こそが貧困を脱する唯一の方法だったのだが、公立高校に転校した後も、「コカインに手を出し、せっかくのチャンスを棒にふった女」としてその後の進学の道も絶たれてしまった。
10年以上経過し、地元スーパーのレジ打ちバイトで生計を立てていたリリアンだったが、ある日マディソンからテネシー州の邸宅での仕事に誘われる。マディソンは年の離れたバツ2の議員と結婚し、4歳の男の子の母親となっていた。仕事の依頼内容は、急死した前妻が遺した10歳の双子の男女を引き取ることになったので、ひと夏の間面倒をみてほしいとのこと。問題は、双子たちは興奮すると自然発火してしまう事だった。
マディソンの罪を被って退学させられたリリアンの過去から始まったので、暗い話かと思いきや自然発火する双子たちとのドタバタな日常を描く楽しい話だった。ありえないシチュエーションにもかかわらず、リリアンがあっさりと双子の世話を引き受け、少しずつ絆が芽生えていくところが良かった。
マディソンは、「親友」と言いながらもリリアンを利用する嫌な女で、どうしても好きになれなかったのだけれども、リリアンと本音でぶつかって嫌な女のままハッピーエンディングとしてまとまってしまったのがすごい。奇想天外なプロットだったけれどもストーリーに勢いがあって一気に読めた。
YL:7くらい
語数:63,054語(概算)
【オーディオブック】The Suspect: An Olympic Bombing, the FBI, the Media, and Richard Jewell, the Man Caught in the Middle(2019)
- 2020/02/03 8:00 PM
- ノンフィクション
- Narrated by: Paul Michael
時間:14時間12分
発音: アメリカ英語
評価: 4.5 out of 5
映画「リチャード・ジュエル」に感動し、詳細を知りたくて選んだ本。
1996年7月27日、アトランタ五輪中 Centennial Olympic Parkコンサート会場を警備していたリチャード・ジュエルはベンチの下に不審なカバンを発見した。爆弾発見時の講習を受けていたリチャードは、不審物をただの落とし物として扱うことなく現場責任者に報告。近くの人々を避難させた。警官たちが爆発物周囲を取り囲み、観客たちとの距離を取らせていたところで爆発が起き、44歳の観客女性に爆破物の破片が刺さり死亡。現場付近にいたトルコ人のカメラマンクルーが心臓発作で亡くなり、111人が負傷した。リチャードによる迅速な避難行動がなければもっと大勢の人々が犠牲になったはずだった。
一躍ヒーローとなり、TV番組で脚光を浴びたリチャードだったが、FBIにより容疑者として疑われてしまう。過去にも第一発見者の警察官による自作自演の爆弾事件があり、「目立ちたがり屋でヒーローになりたい」「手柄を立てて警察官として雇用されたい」という犯人の”プロファイリング”に一致したからであった。
FBIエージェントが地元新聞記者の女性にリチャードジュエルの名をリークしたため、嫌疑をかけられただけの段階でマスコミにより犯罪者扱いされ、自宅や行く先々で追い回され、過去の行動やプライベートまで公にされてしまう。リチャードが現場にいる間に公園外の公衆電話から犯行予告があり、物理的にリチャードは犯人となり得なかったにもかかわらず、3ヶ月もの間、容疑が晴れることはなかった。
リチャードは馬鹿がつくほど正直者で、仕事熱心すぎるあまり融通がきかず、これまでの職場でも変人扱いされていた。リチャードが爆弾犯として疑われると、元同僚たちがいかにリチャードの行動が以前から怪しかったかをマスコミに語る様子が辛かった。リチャードジュエルの底抜けにお人好しで他人の役に立ちたいという善良な心が世間の人々によって無残に踏みにじられるのが辛い作品だった。映画でのリチャードの描かれ方は、とても良い人で愛すべきキャラクターだとは思うけれども、お母さん以外にこういう人物を心から愛せる人はいないと思ってしまった自分が後ろめたかった。本では後日譚もあり、仕事で知り合った素晴らしい女性と結婚していたことを知って安心した。リチャードは警官として再び働くという夢を叶え、小さな町の警官として生後5日目の赤ちゃんにCPRを施して救ったり、麻薬売人を検挙したりと活躍していたらしい。ただ、容疑は晴れても”The former suspect”のリチャードジュエルとして見られることに苦しんでいたようだ。
映画でリチャードの母親がFBIにタッパーを押収されたことを非常に悲しんでいたが、あれは30年かけて集めた思い入れのあるタッパーであり、事件後に国を訴えて25万円ほどの補償を受けることができたようだった。なぜか母親のタッパーシーンが悲しかったのでタッパーのその後を知ることが出来てよかった。
リチャードジュエルと弁護士のワトソンさんは、松本サリン事件の冤罪つながりで日本に招待されたらしいが、アトランタ五輪の爆破事件とともに当時はまったく気づかなかった。
真犯人のエリック・ルドルフが起こしたアトランタゲイクラブ爆破や中絶クリニック爆破、その後の逃亡生活についても触れられていた。映画では最後に一言真犯人についてコメントがあっただけだったが、本で真犯人の行動を知るにつれ、リチャードを犯人と決めつけたことがいかに愚かなことであったかを実感した。
本の前半はアトランタ五輪誘致やリチャードジュエル、女性記者の幼少期、FBIエージェントの職歴などでやや退屈だったので、映画でリチャードのキャラクターに興味を持ってから読み始めるのが良いかも。
YL:7.5
語数:113,956語(概算)
The Suspect: An Olympic Bombing, the FBI, the Media, and Richard Jewell, the Man Caught in the Middle (English Edition)
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