多読と英文法

 数年前に英語学習を始めてから1度も和訳をしていません。LingQ で”精読”をしているのですが、ただわからない単語の意味を調べているだけです。私はそれを”精読”だと思っていたのですが、本当は意味を調べるなんて当たり前、スラッシュをひいて構文を調べたり、きっちり和訳までするのが本来の精読らしいです。恥ずかしいので今までおおっぴらに言ったことはなかったけど、私がちゃんと理解している文法は ”S、V、それ以外”・・・です。後はなんにも説明出来ません。

 

 ”精読、訳読をしないで英文が読めているはずがない”・・・と言われたりもしますが、私は精読での構文理解、和訳をしなくて良かったと思っているのです。自分の場合、これまで何度かやり直し学習を失敗しましたが、その原因が分厚い文法書の理解から始めようとしていたからです。文法書を読み、日本語で書かれた説明を理解し、ルールを覚えようと努める。覚えられなくて嫌になって3日坊主・・・の繰り返しだったので。文法が好きで、ちゃんと理解しながら進んだほうがいい、という方には合っているのだと思いますが、私のように出来ない人には逆効果ではないかと思います。

 

 多読を始める前に、”10日で完成、中学英語”のようなタイトルの薄い問題集を解いたところ、8日目あたりまでは順調に解くことが出来ました。その後はGrammar in Useの初級と中級を1回解きましたが、説明されている項目を覚えるまで繰り返しやる・・というところまではしませんでした。とりあえず1回解いて、英語での説明を読んだのみ。その後は多読・多聴が8割とLingQでのなんちゃって精読が時々。

 

 多読をしていると、しばしば馴染みのない文章に出会います。例えば”Bobby was the closest thing to a father they ever had.” や、”If I could, I would ・・・” などの初めて出会う文章は、”こんな状況ではこう言うんだ”、とまる覚えです。超適当なのですが、英語を教えるわけでもないし、翻訳業をしているわけでもないので、それでいいんじゃないかと思っています。TOEICなどの試験で高得点を取るために、試験用の問題集を繰り返し解いて、”この構文だとカッコ内は副詞しかこない”と、文法で攻める方法もあるようですが、多読をしているとカッコの中は”なんとなくこれが自然”といった感じでわかるようになります。以前試験対策や文法学習なしで受けたTOEICは2回とも文法セクションの得点は100%だったので、TOEICレベルなら、絶対に特化学習をしないといけないというわけでもないんじゃないかと思っているわけです。

 

 文法学習を全否定したいわけじゃなくて、文法は大切だと思うけど、日本語で書かれた説明文を覚え、ルールを説明出来るまで頑張らなくてもいいのではないかと。洋書版のGrammar in Useが良かったのは、文法用語を覚えなくても簡単な説明文で基本は理解出来たところでした。そしてたくさんの演習がついているので、ルールは説明できなくてもパターン認識出来るようになったこと。例えば進行形のチャプターでは、進行形ばかり練習するのでとりあえず 使い方は覚えるといった感じで。文法を完璧に理解できるまで頑張るんじゃなくて、日本語の解説文を読む暇があったら、そのぶん英語の文章を読む時間にあてて、たくさんの実例を読めばいいと思います。

 

 ”文法がわからない”というと、批判されたり、多読も”読んでいるんじゃなくて、眺めてるんじゃないの?”とさえ言われたこともありました。多読をメインに勉強されていて、同じように不安に思っている方もいらっしゃるのではないかと思ったので書いてみました。(他の方の学習法を批判しているわけではありません。)

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多読と英文法 への5件のフィードバック

  1. ピンバック: Tadahiro NAKAGAWA

  2. しば のコメント:

    こんにちは! 私は、生徒への授業する時には、文法用語を使ってもいいか聞いたり、説明本編を始める前に、文法用語の意味を生徒に質問します。「節、ってどんなもの?」って風に。それで、生徒が即答えられれば文法用語使うし、基本は、極力文法用語は使わないで授業します。
    自分が教え手や通訳者・翻訳者を目指さないのなら、>文法を完璧に理解できるまで頑張るんじゃなくて、日本語の解説文を読む暇があったら、そのぶん英語の文章を読む時間にあてて、たくさんの実例を読めばいい・・・ の発想で、ほんとうに十分だ、って思います。

    • yuko のコメント:

      文法をきっちり理解出来たほうが楽しくなる生徒さんもいるでしょうから、先生方は悩まれるでしょうね。中学生レベルの文法は絶対に必要ですし、教えてくれた中学校の先生にはとても感謝しています。

  3. mari のコメント:

    こんばんは。

    私は中学レベルの文法も全く出来ないので、とりあえず去年終わりから中学レベルだけの問題集を解いてもうすぐ終わるところです。
    駄目なところはもうほんとバツばっかりです。
    中学レベルの文法が分かったら多読も多聴ももっと効率が良くなりそう。
    でも本は読めます。不思議ですよね〜。
    私の場合は本がもっと読めるようになりたいからせめてもう少し出来るようになりたいな・・・というところです。
    確かにいきなり問題集は絶対挫折しそう。

    でも、Bobby was the closest thing to a father they ever had意味取れませんでした><

    それにしても眺めてるんじゃないの?とは。衝撃的なお言葉ですね^^;

    • yuko のコメント:

      mariさんへ。中学英語の文法がわかればだいぶ読むのが楽になりますよね。問題集ばかり解いて、本を読む人が少ないのが残念なところです。
      “Bobby was the closest thing to a father.” は、スパナチュでよく出てくるフレーズですよね。シーズン4−1、土の中から出てきたディーンがとりあえずボビーの家に言って化物を間違われるシーンのセリフでもありました♥

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