【オーディオブック】In Cold Blood

In Cold Blood

時間:14時間27分

発音:アメリカ英語。

速度:150語/分前後。

オススメ度:4.5 out of 5

 

【あらすじ】

カポーティのノンフィクション・ノベル。1959年カンザス州で、一家4人の惨殺死体が発見される。

殺された4人には何の落ち度もなく、刑務所を出所した2人の若者の無計画な犯行によるものだった。作者のカポーティは、犯人の一人、ペリー・スミスの生い立ちに強い関心を持ち、事件の詳細を明らかにしていく。

 

【感想】
オーディオブックの最初の2時間ほど、無残に殺された16歳の女の子、ナンシーの生前の様子が詳細に語られている。病気がちだった母親にかわって一家を切り盛りし、学校や近所でも評判の優等生だったナンシー。そんな彼女が、行きずりの強盗2人に縛り上げられ、頭部を撃たれて死ななければならない理由など全くない。

 

犯人は憎まれてしかるべきなのだが、カポーティの取材により、ペリー・スミスの生い立ちを知るにつれ、彼を責める気持ちが揺らいでくる。幼いころに虐待を受け、家族からの愛情を得られなかったペリー。社会への怒りが、たまたま居合わせたクラッタ−一家へと向いてしまった・・と、ペリーを憐れむ気持ちさえ生じたのは、カポーティのペリーに対する思い入れのせいだろうか。

 

同じように恵まれない家庭で育ったカポーティとペリー。カポーティは、後にこの事件に関して「同じ家で生まれた。一方は裏口から、もう一方は表玄関から出た。」と語っている。ペリーに同情しながらも、作品を仕上げるために死刑執行を望んだ作者の心情を考えると、「In Cold Blood」というタイトルが非常に重く感じられた。

 

この後、カポーティがこの事件を取材する様子を描いた映画、Capote も見る予定。

 

YL: 8 (概算)

語数:121,562語 (Scholastic調べ)

 


In Cold Blood: A True Account of a Multiple Murder and its Consequences (Penguin Modern Classics)


冷血 (新潮文庫)

 

【今日の一枚】

マクラウド滝。

 

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