The Hundred-Year-Old Man who Climbed Out of the Window and Disappeared (Export Edition)
- Written by: Jonas Jonasson
- Narrated by: Steven Crossley
時間:12時間
発音:イギリス英語。
速度:150語/分前後。
オススメ度: 5 out of 5 シニカルな語り口が良い。
【あらすじ】
The Hundred-Year-Old Man who Climbed Out of the Window and Disappearedというタイトルどおり、窓をよじ登って失踪した100歳の男の物語。
アラン・カールソンは100歳の誕生日に老人ホームの自室の窓からスリッパのまま外に出て、そのまま失踪した。アランの行く先々で事件が起こるのだが、彼は地元ギャングの男たちとのトラブルに巻き込まれたらしい。
消えたギャングのスーツケースと失踪した100歳の老人の行方を追う警部は、やがて意外な事実を知ることとなる。
【感想】
スウェーデンの小説の英訳版。めっちゃ好きなストーリー展開だった。普通、100歳の老人が失踪し、ギャングが後を追っているらしい・・・となると、老人が事件に巻き込まれたと思うはず。ところが、事件を起こし、追い迫るギャングを殺しているのは100歳のアランなのだ。
100歳の誕生日に”自由にウォッカが飲めないから”という理由で、あてもなく老人ホームを出たアランの生い立ちと現在の様子が絶妙なタイミングで語られていく。彼は少年時代に近所の爆弾工場で爆弾作りの技術をマスターし、ひょんな事から世界を渡り歩き、各国のリーダーとも面識のあった男だったのだ。
若いころのアランは、事の成り行きに身を任せただけだったのだが、やっている事は凄腕のCIAエージェントと変わらない。スペインで革命軍に参加して橋を爆破し、イランでは秘密警察で要人もろとも事務所を爆破し、チャーチル暗殺計画を未然に防ぐ。第二次大戦時のアメリカでは原爆作りの一旦を担い、スターリン時代のソビエトでは、スターリンの逆鱗に触れシベリアでの強制労働に従事する。
第一次世界大戦から第二次世界大戦、冷戦時代の歴史的場面に必ず居合わせたアラン。若い頃、爆弾製造技術を手に世界各国を回るスリリングな展開と、100歳になったアランが”成り行きで”地元ギャングをやっつけてしまう様が非常に良かった。
20世紀の重要な出来事を盛り込んだ、あまりにも壮大なスケールの作り話だが、最後にはほのぼのと話がまとまっているのも良い。
好き嫌いの評価が分かれているようだが、シニカルな語り口と、アランの飄々とした様子がとても気に入った。
「100歳の華麗なる冒険」というタイトルで映画化されており、2014年11月8日から日本でも公開されるようだ。
YL:8
語数:100,000語(概算)
The Hundred-Year-Old Man Who Climbed Out of the Window and Disappeared
【邦訳版】
窓から逃げた100歳老人