【映画】Selma (2014)

Selma (2014)

出演:デビット・オイェロウォ、カーメン・イジョゴ、オプラ・ウィンフリー

評価:9 out of 10.

 

【あらすじ】

1965年アラバマ。アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動した、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の実話を基にしたストーリー。

 

 

【ネタバレあらすじ&感想】ネタバレです。Spoiler Alert

1965年、アラバマ州セルマ。憲法により黒人の選挙権は認められていたものの、白人の妨害により黒人は地域の投票所に登録することが出来ず、人口の50%を占める黒人のうち、選挙権を持っていたのは僅か2%だったそうです。

 

キング牧師を中心とする活動家グループは選挙権の平等を求め、セルマからモンゴメリーまでの平和的デモを行うのですが、警官や州兵から激しい暴力を受けます。無抵抗の一般人に催涙ガスを噴射し、逃げ惑う人々を警棒で激しく殴打する警官たち・・・。そしてそれを指示しているのは知事なのです。

 

 

静かでとても悲しい映画でした。特に、家族を亡くした80台の老人が悲しむ姿には胸を打たれました…。史実とはいえ暴力シーンが多く、非常に辛かったです。作品を見ているだけでも辛かったのに、実際にその時代を経験した人々がいることを思うと余計悲しくなりました。

 

この作品では、キング牧師を聖人扱いせず、彼の苦悩に焦点を当てていたように思います。非暴力主義を貫く決断をしたものの、セルマでのデモ活動で3人の方が亡くなられています。自分が下した決断がもたらした結果の重さを受け止め、それでもリーダーとして信念を曲げずに活動し続けるのは、決して簡単な事ではなかったと思います。

 

NYなどいくつかの都市では中学生が無料でこの作品を鑑賞出来るよう、篤志家からの寄付があったようです。以前ほどは酷くないとはいえ、ファーガソン事件などもありましたし、アフリカ系アメリカ人に対する差別はまだ根強いと思います。過去にあった事実から目を背けず、多くの子供達に過去の過ちを知ってもらうのは大切な事だと思いました。歴史的な事実としていくつかのエピソードは知っていましたが、やはり映像の力は大きかったです。

 

エンドロールで各場面の静止画が流れたのも美しく印象的でした。

 

現段階で日本公開は決まっていないようですが、心に響く作品だったので是非公開されてほしいです。

 

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