英語ビジネスレター、あいさつ句と結びのルール

ごくたまに英語でフォーマルなビジネスレターを書く必要があるのですが、その度に書き出し(salutation)とシメの言葉 (closing)をどうすればいいか迷ってしまいます。ここ何年か調べては書いた後にサックリ忘れてしまうということを繰り返していたので、毎回迷うポイントと、その答えを備忘録として書いておくことにしました。

 

Yours sincerelyか、Sincerely Yoursか

正しくはYours sincerely。アメリカでは、Sincerely, または Sincerely yours と書く人もいる。

 

Yours sincerelyか、Yours faithfully か

手紙を書く相手の名前が分かっている場合。例えば、Dear John: と書き始めた場合には、最後の言葉はYours sincerely.

手紙を書く相手の名前が分かっておらず、Dear Sir/Madam: と書き始めた場合には、Yours faithfully.

ただし、相手の名前を知っていても、個人的に話した事がない場合は、Yours faithfullyを使う事もある。

 

Yours truly と書くのは?

アメリカではYours faithfullyのかわりにYours trulyが用いられる事がある。また、書き手が個人ではなく会社や組織だった場合にもYours trulyが用いられる。

例えば、会社名義で書く手紙で、Dear Mr.Brown: と書き始めた場合。Closingは、Yours truly, 会社名。

 

E-mailなどセミフォーマルな場合

Regards, Kind regards, Best regards, などを用いてもよい。

 

これらのあいさつ句の元は?

A Dictionary of Modern English Usageを編纂したH. W. Fowlerという方が1920年代に以下のように定義したもの。

Yours faithfully (to unknown person on business)
Yours truly (to slight acquaintance)
Yours very truly (ceremonious but cordial)
Yours sincerely (in invitations and friendly but not intimate letters)

 

称号付きの方に手紙を書く場合

こちらのページを参考に。天皇や王様、女王様、貴族の方々、アメリカ大統領、議員、市長など、称号付きの方々には決まった書き出しとClosingの言葉があるようです。

 

例えば天皇に手紙を書く場合。

His Imperial Majesty (Name of Emperor), Emperor of (Country)
書き出し:  Sir:   or   May it please Your Majesty:
シメの言葉:  I have the honor to remain Your Imperial Majesty’s obedient servant,

 

アメリカ大統領に書く場合。

呼び方:  The President
書き出し:  Dear Mr./Madam President:
シメ:  Respectfully,

 

このページには他にも、軍隊の役職宛、宗教職の方、政府機関の役職の方々などへの書き方が載っていました。この先天皇や王様に手紙を書くことはないでしょうが、こういう決まりがある、というのが面白かったので。

 

実際のところは・・・

職場のアメリカ人に聞いても、あまり厳格な使い分けをする人はいません。これはアメリカだからなのか、若い人が多いからなのかは分かりません。ただ、E-mailの最後に、”Yours sincerely”などと書くと、「おばあちゃんから手紙が来たみたい」と言われます。

 

フォーマルな手紙を書く機会はめったにないのですが、書く必要があるのは何かをお願いしたり申請する時か、失敗して謝らなければならない時などです。レターと言っても実際はワード文書に打ち込んでプリントしたものを提出したり、ワード文書のままメールに添付したりと、昔ほどフォーマルではないのかもしれませんが、見知らぬ相手の場合は丁寧に接するほうが無難だと思いました。

 

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英語ビジネスレター、あいさつ句と結びのルール への2件のフィードバック

  1. kov2057 のコメント:

    たまに「英語には敬語がない」というようなことを言っている人を見かけるけど、やはりこのようにフォーマルな表現があるのだからその場に合わせてきちんとした表現を使っていきたいですね。

    • yuko のコメント:

      確かに様式がちゃんと決まってる。ビジネスレターの日付は右か左かとか、レターヘッドに住所を書く時は役職名と名前は書かないとか、調べてみたら何行開けるとかまで細かく決まってた…。表現もメールならOKだけど手紙はダメとかあるし、ちゃんと調べてから書いたほうがよさそうよね。

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