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【映画】Tenet テネット 

Tenet (2020)

 

9月21日(月)グランドシネマサンシャインIMAXで鑑賞。夜の回なら人が少ないかなと思いきや、祝日のせいか500席近くほぼ満員でした。

 

【ネタバレあらすじ】

数百年後の未来。ある女性科学者がエントロピーを逆行させ時間を巻き戻す装置を発明した。未来人は地球温暖化による気候変動によって危機的な状況をむかえており、エントロピー逆行装置を使い、過去の人類ごと消滅させようと考えた。

 

エントロピー逆行アルゴリズムを悪用されることを恐れた科学者は、装置を9つの部品に分解し、過去(私達=観客にとっての現在)の世界に隠し自殺した。

 

未来人は過去のコンタクトとしてロシア出身の武器商人、Satorを選び、未来から情報、資金と過去と未来を行き来出来る装置を提供した。Satorは各地の核施設に隠されているアルゴリズムを全て集め、組み立ててから未来人が発見できる場所に埋める手立てとなっていた。残るアルゴリズムはあと1つ、キエフのオペラ劇場にあった。

 

CIAエージェントとして、身元が割れたスパイ救出とプルトニウム奪取作戦に参加した主人公はキエフオペラ劇場での作戦に失敗し、敵のロシア人に捕らえられてしまう。拷問の末服毒自殺を図ったが、目覚めた時、彼はテストに合格し世界を破滅から救うミッションのためにリクルートされたと告げられる。

 

【ネタバレ感想】

Multiple Realityのお話で大変好み。一回見ただけでは全てを把握するのは難しく、2回めで伏線を理解しながら全体像をなんとなく掴む感じ。しかも見れば見るほど深読みしたくなる。

 

主人公には名前さえない。The Protagonistと呼ばれるのみで、他の登場人物達にも過去がない。ただしそれは、Character development の問題ではなく、open ended debate で観客が様々な可能性を考える仕組みなのではないかと思った。

 

1回目の視聴では、逆行と順行の仕組みに慣れず、ストーリーについていくのが精一杯。最後に分かるのは、キエフのオペラハウスで主人公を助けたSWATはニールであったこと、エンディングでは皆が助かったのではなく、ニールはまたこれから戦闘に戻り、プロタゴニストのために鍵を開け、プロタゴニストに向けられた銃弾を受け死んでしまうという事実、そしてニールはプロタゴニストとは長く親しい友人関係にあったこと。ニールにとっては長い友情の終わりで、プロタゴニストにとってはこれからニールとの出会いが始まるのだ、というのが切なかった・・・というのが鑑賞直後の感想。

 

そして帰り道に歩きながらずっと考えていたのはNeilとプロタゴニストの関係性。未来のプロタゴニストがNeilを勧誘したとしても、Neilがプロタゴニストを信頼、尊敬している様子は仕事上のパートナー以上、まるで親戚のおじさんと接するような嬉しさ、親しみが滲み出ていたのではないかと。Katの息子、Maxが実は将来のNeilなのでは?と考えたらいてもたってもいられず、翌朝2回めの鑑賞。

 

2回目を鑑賞して考えたNeil=Max説のポイント。

1つめ。まずはムンバイで主人公とNeilが初めて会ったシーン。Neilはイギリス諜報機関からの派遣のような雰囲気だが、初対面にも関わらず、プロタゴニストがダイエットコークを好むこと、仕事中は酒を飲まないことを知っていた。奇妙に思ったプロタゴニストが、ダイエットコークじゃなくて炭酸水が好みだ、とカマをかけると”No, you don’t.” と。以前から仕事のパートナーであれば知り得た情報かもしれないけれども、それにしても親しげだし嬉しそうだ。そして自分にはウォッカ・トニックを。昼間から仕事中にウォッカを飲むなんてロシア人とのハーフ(父がSatorと仮定)だからか?というのは考えすぎ?

 

2つめ。末期膵臓がんのSatorが死ぬとアルゴリズムが発動し世界が滅亡する仕組みとなっており、Satorが自殺を考えているのではないかとわかった時。Satorが一番幸せな時間に逆行し、そこで自殺すると推理したチームは、それが過去のどの時点かを考えるのだが、Neilがちょっと考えてすぐに、ベトナムの海で休暇を過ごしていた14日だ、あの時Satorはボートを離れたのでその時だと。この場面を観て、これはベトナムでバカンスを過ごした家族(妻のKat、息子Max、使用人たち)しか知り得ない情報だったのではないかと思った。

 

最後、プロタゴニストがKatとMaxの下校を見守るシーン。Max達を映しながら、爆弾が爆発しなかったという独白はNeilのもの。これが主人公のセリフではなかったのも意図的なのではないかなと。

 

ここからはNeil=Max説どうなのよ?と思ってネット上で調べた情報。

 

Neil役のロバート・パティンソンの髪は本来濃い茶色。この役柄に合わせて金髪に染めたらしい。これは母Katと子役Maxの金髪に寄せるためなのではないかと書かれていた。

 

さらには、MaxはMaxmilienの略で、この名前をひっくり返して後ろから読むとNeil となると・・・。ただの偶然にしては凝っている気がする。

 

これでもう私の中ではNeil=Max説確定。これを踏まえて3回目を鑑賞。

 

Maxはポンペイに溶岩を見に行くと言っていたが、ポンペイにはSator Squareがある。これはSator, Arepo, Tenet, Opera, Rotas と作中で重要な役割を果たす石版なのだが、Herculaneumの遺跡見学でこの石版を見たのでは。自分の名字Sator、父親のセキュリティ会社の名前Rotas、そして将来関わることになるTenet。この時は何も思わないかもしれないけれど、将来Tenetという組織にリクルートされ、Arepoという贋作画家が母を騙したこと、Operaハウスで9つめのアルゴリズム奪還作戦があり、後にTenet創始者となるプロタゴニストが参加していたことなど後から関連付けられるかもしれない。

 

最後、アルゴリズムを3人で分けてお別れ、のシーンでNeilが主人公に

Neil: Not going back to London to check on Kat, are you?

Protagonist: No?! It’s far too dangerous.

Neil: Even from afar?

Protagonist: Even from afar!

というところ。これはMax=Neilだったとしたら、プロタゴニストがKatの安否を確認しにいき、今後折りに触れMaxの成長過程に関わってきたのを知っているからこその会話ではないか。

 

Max=Neil説だとさらに悲しいシーンは、9つのアルゴリズムを爆心地に埋め、ベトナムの船上にいるSatorがプロタゴニストと会話するシーン。Satorは、自分の最大の罪はもうすぐ終わるこの世界に、息子を送り出してしまったことだと言う。そして部下に主人公の頭を撃てと命じるわけだけれども、主人公を助けるために銃弾を受け死んだのはNeil。Satorは自分の息子を殺す命令を出し、その銃声を聞いたことになる。息子殺しこそ最大の罪なのでは。

 

Neilがプロタゴニストよりも前にこのミッションに関わっていたのがバレた時、”この戦いが終わり、自分たちがまだ生きていたら自分のライフストーリーを教える”と言っていたのに語られることなくNeilが亡くなってしまったのが残念極まりない。Neilの視点から語られた物語も観たかった。

 

2回め以降、Neil=Maxと考えながらNeilの表情や仕草を中心に見ると、見るたびに新たな気付きがあって何回でも見たくなる作品だった。Neil=Maxになるには、20年くらい時代を逆行して戻ってこなければならないのではないかとか、ミッション最後で死ぬと分かっていて送り出すだろうか、とか色々な疑問もあるのだけれど、答えが供給されないからこそ、時々思い出して長く印象に残る作品になるのかもしれない。

 

 

 

 

【オーディオブック】Recursion (2019)

Recursion(2019)

時間:10時間47分

発音: アメリカ英語

評価: 4.5 out of 5

 

ネタバレありの感想。

 

False Memory Syndrome (FMS)とは、ある日突然全く違う人生を歩んでいる記憶が現れる疾患。FMSにかかった人々は、いたはずの夫や子供が実在しなかったという現実に混乱し、自殺する人が急増した。

 

NYPDのBarryは、FMSに罹患した女性の飛び降り自殺現場に遭遇した後、彼女の状況に疑問を持ち独自に調査を開始する。

FMSは、神経学者のヘレナが、アルツハイマー患者の失われゆく記憶を記録し、病態が進んだ後に脳内に記憶を戻す目的で作られた装置の意図せぬ副作用だった。実験中に被験者が死ぬと精神だけ過去の自分に戻ってしまう。そこで未来の記憶を持ったまま、別のタイムラインが生まれ、タイムトリップした時点まで時が進むと、そこで2つのタイムラインが融合し、2つの記憶が生まれる。それがFMSだった。

 

もし過去に戻る事ができて、後悔していた事をやり直せたら・・・。もしくはテロによる大量殺戮を未来からの記憶で未然に防ぐ事が出来たら・・・。ただ、全ての不幸を防ぐ事は不可能だし、全ての人々が同時に幸せなタイムラインなどありえない。自分の人生に起こった出来事は、幸せな記憶も、決してしまいたい過去も含めて自分を形作っているのだと受け入れるしかない。

 

タイムループものが好きなので楽しめた。少し繰り返しが多くて冗長だなと思う部分的はあったものの、面白いコンセプトの本だった。

 

YL: 8くらい

語数:93,815語(概算)

 


Recursion

【オーディオブック】Artificial Condition (2018)

Artificial Condition (2018)

時間:3時間21分

発音: アメリカ英語

評価: 4 out of 5

 

All Systems Redに続くMurderbot Diaries2巻目。

 

主人公Murderbotは自分の機能を司るモジュールををハックし自由な意志を持つに至った警護アンドロイド。

 

Murderbotには暗い過去があった。以前関わった警護プロジェクトで自我を失い警護対象の人間たちを殺してしまったのだ。再利用される際、ほとんどの記憶は抹消されていたが、一部人間のクローンを利用しているため完全な記憶消去はできず、”警護対象の人間を殺してしまった”という記憶だけが残されていた。

 

なぜ大量殺戮をするに至ったのか。その答えを探るため、Murderbotはオーナーの元を去りひとり調査に向かう。

 

ここからネタバレ。

 

大量殺戮が起こった惑星に向かうため、惑星間調査船に忍び込んだMurderbotはそこで「ART」と名乗るAIと出会う。ARTも自我をもったAIで、おたずね者となってしまったMurderbotを匿うため身体改造手術に協力したり、人間らしく振る舞えるようMurderbotの不自然さを観察してアドバイスしたりとまるでMurderbotに友人ができたようなやり取りがほのぼのとしていて良かった。

 

Augmented Humanとして身元を偽装していたMurderbotは道中、大量殺戮が起こった惑星で警護を必要としている若者たちと出会う。彼らは調査したデータを大会社に不当に没収されたベンチャー企業の若者たちで、データを取り戻しにいく最中だった。行き先が同じで自分の身元を隠すのに丁度良い、くらいの気持ちで関わったミッションだったが、過去の大量殺戮事件との繋がりが明らかになっていく。

 

序盤はARTとの”自我をもった自分は何なのか”みたいな禅問答的やり取りがちょっと退屈かな・・と思ったものの、単発で受けた警護の仕事がMurderbotの過去と繋がり組織的な陰謀が明かされていく様子が面白かった。

 

YL: 8くらい

語数:32,422語 (作者ページより)

 


Artificial Condition: The Murderbot Diaries (English Edition)

【オーディオブック】All Systems Red (2017)

All Systems Red (2017)

時間:3時間17分

発音: アメリカ英語

評価: 4.5 out of 5

 

2018年Hugo Award とNebula AwardのBest Novella受賞作品。

 

主人公Murderbotは部分的に人間のクローンから作られたアンドロイド。惑星調査の科学者たちの警護を行っている。Murderbotは自分の機能を司るモジュールををハックし自由な意志を持つに至った。人間を超越した能力を利用して大量殺戮マシーンにもなれたはずが、Murdebotが選んだのは何事もなかったかのようにこれまで通り人間の警護を行いつつ、何万時間もあるエンタメ映像をダウンロードしてドラマ視聴に浸ることだった・・・。

 

人工知能が自由意志を得たら世界が滅亡に向かう・・みたいな作品が多いなか、人間に従っているフリをしながら適当に仕事して、タダでDLしたエンタメに浸る。そんな人工知能があってもいいんじゃないかとMurderbotに共感してしまった。

 

科学者たちが惑星調査中、地図に異常があることを発見し、現地調査に向かう。そこで別の科学者チームがMurderbotと同種の警護アンドロイドにより全滅させられていることを知る。なぜ警護するはずのアンドロイドが暴走したのか謎を追うというストーリー。

 

156ページ、3時間17分の短編。現在4巻まで発売されており、2020年5月に第5巻発売予定となっている。

 

YL:8

語数:31,468語(作者ページより)

 


All Systems Red The Murderbot Diaries

【オーディオブック】Skyward (2018)

Skyward (2018)

時間:15時間28分

発音: アメリカ英語

評価: 5 out of 5

 

【あらすじ】

パイロットを目指す少女Spensaの世界では何十年にもわたり異星人との空中攻防戦が繰り広げられていた。Spensaは幼い頃からパイロットに憧れていたが、亡くなった父が犯した国家への裏切り行為によりflight schoolへの道が閉ざされてしまう。

かつての父の仲間の手引きにより何とかflight schoolへの入学を許されたSpensaが父の死に隠された謎を解き明かしていくというストーリー。

 

【感想】

2018年11月に発売されたブランドン・サンダースンの新作。裏切り者の娘と烙印を押され、政府機関からあらゆる妨害を受けながらもflight schoolで成長していく序盤はなんだか現代版シンデレラのようであまり面白くなかったのだが、ストーリーが動き出したのはSpensaが洞窟の中で打ち捨てられた戦闘機を見つけたところから。

 

AI搭載のM-bot戦闘機はかつてSpensaの住む惑星Detritusに不時着したらしい。パイロットから戦闘には参加せず指令を待つようにと言われたまま100年以上が経過し、故障のためAIの記録媒体もほとんど失われており最低限の機能のみ。この戦闘機をエンジニアリング志望の友人と共に修理していくのだが、M-botのAI人格がユーモアのある執事のようでやり取りが楽しかった。

 

ここからネタバレ spoiler

Spensaの父が人類を裏切ったのは、エイリアンの思考と繋がることが出来る能力があり、敵に操られてしまったことが原因だった。同じ能力を持つ娘のSpensaが敵の動きを先読み出来るのもそのため。かつてSpensaたちの先祖にはサイキック能力を使って惑星間を宇宙船ごと移動させる能力を持つ者がいた。異星人たちにたいしてaggressiveだった人類は攻撃を受け、生き残った人類の子孫たちは惑星Detritusから出られないよう監視されていたというオチ。自分たちを攻撃していた異星人たちの目的に気づき、惑星間移動能力を取り戻した人類が次にどうするのか・・・。シリーズ2作目Starsightは2019年11月下旬発売、3作目、4作目はそれぞれ2021年、2022年に刊行予定らしい。

YL:7.5くらい

語数:137,293語 (作者発言より

Skyward (English Edition)

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