イギリス版キラキラネーム?

2013年度のイギリスの赤ちゃんについての面白い記事が2つありました。テレビドラマが赤ちゃんの名前に与えた影響がよく分かります。イギリス版のキラキラネームのようなものでしょうか。

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大人気ドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」。3匹のドラゴンを従える銀髪の女王、デナーリスの称号、「Khaleesi」と名付けられた女の子が50人いたそうです。Khaleesiって、ドスラク語で「支配者の妻」とか女王とかいう意味らしく、アメリカでも2012年にこの名前をつけられた女の子が146人いたそうです。カリーシという響きは可愛いのですが、ドスラク語って・・・。

 

ゲーム・オブ・スローンズからは、 Aryasが187人、Sansasが5人、Catelynsが3人。 そして驚くべきことにTheonが11人、Tyrionが6人いたそうです。

シオンは、兄弟のように育ったロブを裏切って死に追いやり、ラムジーに囚われた後は拷問を受け去勢され、恥辱の日々を送る男の名前…。そしてティリオンは高い知性を持つ小人で、親殺し…。このような由来は気にならないのでしょうか。

 

 

もう一つ気になったのは、映画「マイティ・ソー」から、ThorとLokiの兄弟。元々北欧神話にある名前ですが、Thorとアベンジャーズの映画公開後、明らかに増えています。

Lokiは邪神で、罪のない人々を大量殺戮していますが、それは大丈夫なのでしょうかね。学校でThorとLoki君が偶然同じクラスになったら楽しそうです。

 

イギリス人の先生とお話をした時に、日本の「キラキラネーム」に相当する語彙が英語にあるのかを聞いてみました。キラキラネームは思い当たらないけど、そのような名前をつける親の事を「chavvy」と言うね、とのことでした。chavvyはイギリス英語で、下品な行いをし、しばしばデザイナーズブランドの偽物を着ているソーシャルクラスの低い若者たち、という意味だそうです。

 

そして元々、イギリスでは赤ちゃんの名前をつける時にあまり由来や意味は考えずに、音で決めているんじゃないかな、とのこと。シオンという響きが良ければ、拷問され、去勢されて奴隷の身分に身をやつした男の名でも気にならないのでしょうかね。

 

逆に、日本人の名前がそれぞれに意味を持つ事について驚かれました。最近は「キラキラネーム」で暴走族の当て字みたいな響きが可愛い名前が増えていますが、日本では赤ちゃんの名前をつける時、不幸な人生を生きた事で知られるキャラクターの名前は付けないと思うのです。架空のキャラクターだとしても、子供の名前としては何となく縁起が悪いと感じます。

 

イギリス人皆がどんな名前でもOK!というわけではないようで、うちの子は妙な名前の子供とは遊ばせない!と息巻いている上流階級風婦人の動画がありました。ここでは「タイラー」がDQNな名前として挙がっていますが、イギリス人の先生によると、”とってもアメリカ的な名前”とのことでした。このご婦人、鼻持ちならないと皆に批判を受けていますが、子供の名前を親のレベルと関連付けるというのは本音だろうなと思いました。

 

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