今年からChatGPTの月20ドルプランに課金し始めました。以前試したときは、簡単な質問にも間違った情報を堂々と返してきたので使えないと思っていたのですが、進化し続けているようで、今では英会話のダイアログ作成や英作文の添削などにも重宝するようになりました。無料プランでは回数制限に引っかかるので、課金してみましたが、ストレスなく使えています。
ChatGPTの良いところは、どれだけしつこく質問しても嫌な顔をせず、気長に付き合ってくれるところでしょうか。大学院生のとき、統計フリーソフト「R」を使うのに四苦八苦した経験があります。論文を投稿した際、レビュワーの1人が統計学の専門家で、聞いたこともないような手法をいくつか提示し、それをすべて試すように指示されました。自力で調べても理解できるものではなく、大学の統計学の先生に平身低頭して教えを乞い、論文がアクセプトされた際には菓子折りを持ってお礼に行ったものです。あのときChatGPTがあれば、先生の手を煩わせずに済んだかもしれません。
現在は統計学やエクセル、Rとは無縁の職場で働いており、ブラインドタッチとショートカットキーが使えるだけで、それなりに「仕事ができる人」に見える環境です。2本指打法で非効率な作業をしていても何も言われない職場の中で、「AIで何ができるのか? 自分の生活に取り入れられるのか?」と試行錯誤したいと思い、書店で見かけた『#100日チャレンジ』を手に取りました。
この本は、著者の大塚あみさんが中央大学4年在学中にChatGPTを使ってプログラミングを学び、100日間毎日ゲームを作成した経験をまとめたものです。大学の課題をサボるために使い始めたChatGPTでのプログラミング学習が教授の目に留まり、やがて海外の学会での発表や就職につながっていきます。他人の試行錯誤の様子を知りたくて読み始めたのですが、予想以上に著者の成長ストーリーにワクワクしました。
ChatGPTに質問するだけでゲームが完成するわけではなく、エラーの原因を自分で調べる必要があります。ChatGPTを活用したプログラミング学習の良い点は、実際に手を動かしながら試行錯誤できるところでしょう。授業や本で学ぶと、例題に沿って作業を進めるため、考える余地があまりないことが多いですが、ChatGPTがあるとまるで家庭教師と1対1でやり取りしているような対話形式で学習が進むため、より深く知識が身につきそうです。ただし、著者の取り組みを見ていると、この方法は「自分で考え、主体的に学ぶのが好きな人」に最も適しているように感じました。
本書を読んで、ChatGPTを学習ツールとして活用する可能性の大きさを感じました。単に質問して答えを得るだけではなく、自分で考えながら試行錯誤することで、より深い学びが得られることがわかります。また、著者のように100日間という区切りをつけて取り組むことで、スキルの向上だけでなく、思わぬチャンスにつながる可能性もあると感じました。自分自身もAIを活用して何か新しい挑戦をしてみたくなる一冊でした。