【オーディオブック】Shogun

Shogun (1975) by James Clavell

2024年2月27日より真田広之主演のShogunがディズニープラスで放映されるとのことで、原作のオーディオブックを聴いてみました。53時間34分の大作!

 

原作は1975年に発表された、ジェームズ・クラベルによる歴史小説です。徳川家康と三浦按針をモデルとし、イギリスから漂着した航海士ブラックソーンが日本の政治と文化に関わっていく様子が描かれています。1990年までに世界で1500万部を売り上げたベストセラーらしく、ドラマ化をきっかけに読むことができて良かったです。

 

ただ、オーディオブックの出来はイマイチ。ナレーターさんのダミ声が一本調子なのと、語尾に「ネ?」とつける独特の外国人言葉、“So sorry” が多用されすぎていて気が狂いそうでした。豊臣秀吉がモデルの太閤亡き後、誰が天下を取るのか。トラナガとブラックソーンの運命は!?というあらすじ自体は興味深いのですが、とにかく冗長すぎました。

ドラマで10話程度にまとまればちょうど良いかもしれない。真田広之さんがプロデューサーも務めているようなので、きちんと監修された日本が描かれることでしょう。

 

YL:7.5くらい

語数:281,250語(概算)

 

 

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第15回ヴァーチャル夏休み

年に1回やる気を出す季節がやってきました。第15回ヴァーチャル夏休み参加します。

 

ヴァ夏のためにBarron’s 1100 words you need to know 

を用意しました。そう、挫折本と名高いアイツです。

 

英語話者の高校生が大学受験対策に用いる本で、46週間に渡り、週5日、1日15分で1100単語を覚える体裁になっています。ヴァーチャル夏休み中6週間で完結するボキャビル本を探していたのですが、本屋さんで物色した結果、この本が一番扱いやすそうだったので1年かけて取り組むことに決めました。やる気Maxなヴァ夏スタート時に開始すれば勢いよく進められるのではないかと。

 

かつては毎日熱心に単語を覚えていましたが、重要度の高い単語は多読・多聴で定着し、出会う頻度の低いものはフラッシュカードで覚えても長く定着せずに忘れてしまっていたので、久々に本腰を入れてボキャビルに取り組む必要性を感じていました。

 

最初は本で買ったのですが、LingQに取り込んで1100 words専用のフラッシュカードを作るためにKindle本も追加購入しました。80 words前後のショートストリーにその日のノルマの5単語と過去に出てきた単語が散りばめられているので、それをハイライト→KindleハイライトページからコピペでLingQリーディングに送る→単語をピックアップという流れです。1100タグをつけておけば、後からタグで1100 wordsのみのフラッシュカードを抽出することが出来ます。

以前に他の素材からLingQに取り込んだ単語も多く、ドラマSHERLOCKからの例文が出てきました。

 

レベルは英検1級プラスアルファでしょうか。英検1級パス単などを確実に覚えた上でやると新出単語が減って取り組みやすくなると思います。

 

Kindle版は、練習問題の番号を押すと答えが出てくるのでとても便利です。問題集だと巻末をめくって答え合わせるするのが一手間なのでありがたい機能です。本もKindle版も買ってしまいましたが、一発で答え合わせが出来る機能があると先に分かっていれば本は要らなかったかも。

 

ボキャビル以外では、LingQリーディングと洋書、オーディオブックを普段通りに行う予定です。

 

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【オーディオブック】Hidden Valley Road (2020) /統合失調症の一族 遺伝か、環境か

Hidden Valley Road (2020) / 統合失調症の一族 遺伝か、環境か

発音:アメリカ英語

評価:5/5

【概要】

第二次大戦後、ギャルヴィン一家は空軍に籍を置く父親の都合でコロラド州に移り住む。ベビーブームを背景に12人の子宝に恵まれた一家だったが、1970年代半ばには子供のうち6人が統合失調症と診断された。厳格な父母によって育てられた容姿端麗で運動能力の高い息子たちは、なぜ次々に精神疾患に見舞われたのか?
一方で、サイコセラピーと抗精神病薬による療法が主流だった当時、遺伝的側面から統合失調症の原因究明や治療・予防法の発見を目指す研究者たちがいた。彼らはギャルヴィン家の人々と出会い、様々な検査等を通じて、統合失調症にかかわる遺伝子を突き止めていく――。

精神医療研究に多大な影響を与えた一家の姿を通して「病」と「人間」の本質を問い、各メディア年間ベストブックを総なめにしたノンフィクション!(Amazonより)

 

【感想】

英語仲間のエミコさんに紹介された本。衝撃的でした。12人きょうだいのうち、6人が精神分裂病を発症した一家のお話です。

 

12人きょうだいというと、貧乏子沢山を想像してしまいますが、ギャルバン一家の父は軍人でポリティカルサイエンスで博士号を取り、母は地元のオーケストラやバレエなどの催事を取り仕切っていた教養のある家庭だったようです。一家はカトリックで、お父さんが子供をたくさん欲しがったため、20年間のうちに12人の子供が生まれました。12人のうち最初の10人は男の子・・家の中は常にすさまじい喧嘩だったそうです。

 

精神分裂病を発症した男の子6人は学生時代はスポーツに打ち込み、大きなトラブルもなく高校を卒業しました。長男のドンが精神を病んだのは、若くして結婚した妻と離婚話が持ち上がった頃でした。青酸カリを入手し、無理心中を図ったのです。妻への暴力や妄想、幻聴などが酷くなり、両親の手に負えなくなったドンは公立の精神病院に収容されてしまいます。

1960年代は、たとえ入院したとしても有効な治療法はありませんでした。原因もわかっておらず、子供を精神分裂病にするのは母親に性格的な特徴があるとされていたそうです。母親のミミは、精神分裂病を発症した子供たちの面倒を見るのに必死で、健常な子供を構う暇はありませんでした。下の女の子2人を次男一家によく預けていたのですが、次男も精神病を発症しており、妹たちに性的虐待をしていたのです。妹たちが成人した後、この問題を母親に打ち明けましたが、「お兄ちゃんは病気だったから仕方がない」「私(母親)も子供の頃におじから性的虐待を受けていた」などとまともに取り合ってもらえず、母娘の関係が拗れてしまいます。12人も子供がいるだけでも大変なのに、そのうち6人が精神病を発症したとあっては、一人一人に手間をかける暇は全くとれず、健常な子供達の心にも傷を残してしまったのが気の毒でした。

 

ギャルヴァン一家は精神病発症者も、健常なメンバーも研究機関にDNAサンプルを提出していたので、技術が発達した30年後に遺伝子の変異が見つかったそうです。ただし、一つの変異=病気の原因という一対一対応の疾患ではないので、治療法を確立出来るわけではないようです。

 

これだけ大変な思いをした本人や家族の話を読むと、これは個人や家族の努力ではどうにかなるものではなく、国や社会の助けが必要だと感じました。数々のエピソードに圧倒されましたが、精神疾患を怖がらせたり、差別を助長するものではなく、苦しみながらもより良く生きようとした一家の話を通じて精神疾患への理解が深まる本だと思います。

YL:8

語数:112,723語(概算)

 

 

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【オーディオブック】Babel(2022)

Babel(2022)

時間:21 時間 46分

発音:イギリス英語

評価:3/5

【ネタバレ感想】

1828年広東。コレラ大流行で唯一の肉親である母を失った少年は、オックスフォード教授に命を救われ、教授の被保護者として渡英する。ロビン・スウィフトと改名した少年は、教授の元で言語学と翻訳を叩き込まれた後、オックスフォード大学Royal Institute of Translation、通称Babelに入学する。

 

この世界では翻訳が魔法として使われている。銀の棒の両側に同じ意味の異なる言語を記すと、二つの言語の意味の微妙な違いから魔力が生まれるのだ。魔法の使用者は、銀の棒に書かれた二つの言語に精通している必要があり、Babelは数百年以上にわたり、翻訳者を養成し、大英帝国の植民地主義を支えていた。ロビンは新入生3人と親しくなり、Babelに隠された秘密に迫っていく・・という話。

 

翻訳と銀を使った魔法体系が目新しく、途中までは星5だ!面白い!と興奮していたのですが、極端な理想主義が破滅に向かうストーリーに気持ちがついて行かず、結局星3評価でした。副題にもOr the Necessity of Violence: An Arcane History of the Oxford Translators’ Revolution、とありますしね。理不尽な体制を倒すために暴力の必要性は正当化されるのか、がテーマでもあります。

 

いくら大英帝国の植民地主義が酷いとはいえ、主人公たちがやったことはテロ活動であり、罪のない一般人まで巻き添えにしてしまうのは良くない。最後にバベルを壊してしまう展開には具合が悪くなりそうでした。確かにバベルは植民地主義を支えていましたが、数百年にもわたる学問の集大成が学生たちにより一瞬にして破壊されてしまったのには納得がいきませんでした。若さゆえの暴走でしょうか・・・。辛かったです。

 

YL:8−9(概算)

語数:162,656語(概算)

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【オーディオブック】Shoe Dog

Shoe Dog: A Memoir by the Creator of Nike(2016)

時間:13 時間 21分

発音:アメリカ英語

評価:5/5

【あらすじ】

父親から借りた50ドルを元手に、アディダス、プーマを超える
売上げ300億ドルの会社を創り上げた男が、ビジネスと人生のすべてを語る!

1962年晩秋、24歳のあるアメリカ人が日本に降り立った。
彼の名はフィル・ナイト。のちに世界最強のブランドの一つとなる、
ナイキの創業経営者だ。

オニツカという会社がつくるシューズ「タイガー」に惚れ込んでいた彼は、
神戸にあるオニツカのオフィスを訪れ、役員たちに売り込みをする。

自分に、タイガーをアメリカで売らせてほしいと。

スタンフォード大MBA卒のエリートでありながら、なぜあえて靴のビジネスを選んだのか?
しかもかつての敵国、日本の企業と組んでまで。

「日本のシューズをアメリカで売る」。

馬鹿げたアイディアにとりつかれた男の
人生を賭けた挑戦が、このとき始まった! (Amazonより)

 

【感想】

4月7日(金)に公開された映画Airを見る前に読みました。面白かった!映画は1984年、新人だったマイケル・ジョーダンとNIKEのスポンサーシップを結ぶために奮闘する話ですが、こちらの本は、NIKE1962年創業時から1980年IPOするまで。本を読んでいなくても映画は楽しめるのですが、起業の苦労を本人の言葉で読むことが出来て映画がより面白く感じられました。

 

なぜ1962年から1980年までの話なのか、というのは今は残っていない創業時メンバーとの苦労も多かったが、本当に楽しかった時代を語りたかったからのようです。また、かなりの無茶振りをしたにも関わらず、期待に応えてくれ会社の生き残りに多大な貢献をしてくれたメンバーにねぎらいの言葉をかけることもなく、雑に扱ってしまったことを後悔し、創業メンバーのことを皆に知ってほしかったという思いもあるようです。

 

スタンフォード大学MBA卒業後、フィル・ナイトは友達2人と世界旅行に旅立ちます。最初の目的地ハワイを気に入ったため世界旅行は中止。百科事典の訪問セールスをしながらアフターファイブはサーフィン三昧。友達に彼女が出来てハワイに残ることにしたため、フィルは1人で世界旅行を再開します。

 

今後の靴業界は日本の成長が鍵を握るだろう、とMBAの授業で発表した彼は、日本のオニツカタイガー(現アシックス)の靴を輸入販売するため1人で神戸の本社を訪れます。まだ起業していなかったにもかかわらず、すでにブルーリボン社という会社があるように話をでっちあげ、熱意を買われて50ドルで契約を結ぶことに成功します。

 

フィルは、オレゴン大学陸上部時代のコーチであったビル・バウワーマンに声をかけ、2人でブルーリボン社を立ち上げます。バウワーマンは、フィルが学生時代から既成の靴を自ら解体・改良するほど熱心で、何人ものオリンピック選手を育てた人でした。

 

創業から何年も自分の給料を出すことができなかったため、フィルは公認会計士の資格を取り、会計事務所に勤めながら会社の経営をします。創業メンバーは皆強烈な個性の人たちばかりなのですが、一番興味深かったのは、最初の従業員ジェフ・ジョンソン氏です。スタンフォードMBAの知り合いであったジョンソン氏は1965年ブルーリボン社に入社します。10ヶ月で3250足の靴を売ってこい!という不可能に思えた売り上げ目標を1人で達成。彼は相当な筆まめで、高校や大学の陸上チームを訪ねては靴を売り、顧客の情報カードを作成。顧客の誕生日や試合前などにメッセージカードを送り、何百人もの顧客と“文通“状態にあったそうです。ボスのフィルが嫌になるほど彼にも手紙を送りますが、フィルは一切無視し、ジョンソン氏は孤軍奮闘します。この“文通友達”だった顧客の高校生から東海岸でブルーリボン社以外にオニツカタイガーと代理店契約した会社がある、との情報提供を受け、彼はその高校生の自宅を訪問。高校生が自宅に帰ると家族と食卓をともにしていたそうですから、素晴らしいコミニュケーションスキルです。彼は西海岸に最初のナイキ小売店を作ったり、東海岸に拠点を築き、後には靴の開発にも携わっていたそうです。

 

ブルーリボン社から新しい社名に変わる時、フィル・ナイト氏は“ディメンション・シックス“という名を思いつきますが、皆に反対されます。NIKEという名を考えついたのはジョンソン氏で、勝利の女神の名前であること、短くて覚えやすく、成功した企業の名前の特徴(KやXなど強い音を持つ)を捉えていることから決定したそうです。1981年にNIKEが新規株式公開を果たした時、共同経営者のバウワーマン氏は9 millionドル、創業メンバーたちは6 millionドル、フィル・ナイト氏は178millionドルを手にしたそうです。当時の6億ドルは現在の価格で20億円超。苦労が報われて本当に良かったです。

 

今では300億ドル以上の売り上げを持つNIKEですが、1980年頃まで売り上げはどんどん伸びるのに手元に現金が残らない状態でした。靴を発注する→売り上げが入金されるがすぐに発注先や従業員の給料を振り込む→残金ゼロ、の自転車操業だったようです。創業当初に地元に銀行に融資を断られ、事業が軌道に乗り換えた時もキャッシュフローが悪く、貸し倒れのリスクを懸念され、突然融資を打ち切られます。今日にも倒産!という時にかねてから付き合いのあった日本の総合商社日商のビジネスマンが大きなリスクを取り、資金を取り付けます。

 

その日の出来事が克明に記されていて、昔のことながら手に汗握る展開でした。オニツカ、日商など日本との縁も深く、日本がまだいけいけどんどんだった時の興味深いエピソードが満載でした。

 

垂直に落ちるジェットコースターのようにスリリングで、起業の苦労、面白みを一緒に体験できる本でした。翻訳本もありますし、読みやすくておすすめです。

 

 

    

YL:7.5(概算)

語数:100,000語(概算)

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