英語学習の王道は英語で書かれた文章をたくさん読み、聞き、そこに出てきた単語を覚えることではないでしょうか。そうは言っても、大人の学習者が自力で良質のコンテンツを探し、自習システムを確立することは容易ではありません。そこで、英語学習の基本である自習を手助けしてくれるオンラインサイト、LingQ(りんく)を紹介します。
LingQは10ヶ国語を自由に話すSteve Kaufmann氏が考案したThe Linguist method に基づく総合語学学習サイトです。学習者用に作られた素材ではなく、自分の興味のある分野の音声付き記事をたくさん読んだり聞いたりして、自然に、そして効果的に語学を習得することを勧めています。母国語を習得したように第二言語を習得するというコンセプトは、大人の学習者にとっては賛否の分かれるところでしょう。The Linguist methodでは多量のインプットを可能にしてくれる英語ライブラリがあり、英語スクリプトとmp3がセットになった素材を多量に手に入れることができますので、子供が大量の母国語に暴露されながら言葉を覚えたように英語を習得することが出来ます。
下記のスナップショットは英語ライブラリです。素材は初心者から上級者までレベル分けされており、また未知の単語が含まれる割合も表示されます。各記事にはmp3音声がついており、LingQ内で聞くことも出来ますし、手持ちのmp3 プレイヤーにダウンロードすることも可能です。
記事を選ぶと、新出単語は青、既出単語は黄色でハイライトされています。また、以前覚えた単語は点線(図では赤の囲みで強調)がひかれているため、LingQを使って記事を読めば読むほど、以前出会った単語を認識する確率が高くなります。
LingQシステムで最も優れているのが、単語カードシステムです。文章中の単語にカーソルを置くと、単語カード作成用のボックスが開きます。
さらに単語の意味を選ぶか、”新しいヒント”を押すと、単語カード編集画面が開きます。ここに意味、フレーズを記入し保存することで、次回以降、他の記事でこの単語が出てきた時には黄色くハイライトされるという仕組みです。
記事を読み終わったら、フラッシュカードシステムを使って復習をします。
発音を確認したら、意味とフレーズをチェックします。二回連続正解したらステータスが1上がり、ステータス4になったら”既知の単語”として、次回記事からこの単語には点線アンダーラインがつきます。このようにして集めた単語はリストとして表示されます。
単語リストから検索、作成日や重要単語順にソートしたり、タグ毎に単語を抽出出来ますので、手書きの単語カードのように数が増えれば増えるほど復習が煩雑になる心配もありません。
このようにLingQは独学で良質なインプットを可能にしてくれるツールです。無料登録で単語カード100個まで使用できますが、なんといってもLingQはたくさん読んで単語を集めれば集めるほど効果を発揮しますので、月10ドルからの有料会員となってどんどんインプットすることをお勧めします。
他にも学習者同士が相談できるフォーラムや、先生への質問コーナー、スピーキング、ライティングもあります。こちらはまたの機会にご紹介いたします。
最後に創始者のスティーブさんが、日本語で話されているYouTubeビデオを紹介します。冒頭でご紹介したとおり、Steveさんは10カ国語を流暢に話されます。日本に9年間滞在されていますので、日本語が上手なのは当然、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。YouTubeのスティーブさんのページには、多言語で話されているビデオや、英語学習に関するTipsも多数ありますので是非ご覧ください。語学学習に対する考え方がかわりますよ。