ジュリー先生とのBook Clubで6冊目の課題本、Three Cups of Tea (Young Readers Edition) を読了しました。前回 Life of Pi を週1回ペースで読み終えるのに1年2ヶ月かかったので、今回は子供版の短い本を選び、約4ヶ月で終了です。
Greg Mortensonという方は”One school at a time.” というスローガンのもと、パキスタンとアフガニスタンにチャリティーで学校を建て、教育を提供している活動家です。もと救急ナースで登山家でもあった彼は、1993年のK2登山で仲間とはぐれ体調を崩してKorpheという麓の村に偶然たどり着きます。村人に丁重にもてなされ健康を回復した彼は、村の子供達が寒空の下、地面に棒で文字を書きながら学習をしている姿を目の当たりにします。Gregは子供たちに学校を建てると約束します。
アメリカに戻って夜勤ERナースをしながら資金集めのために、セレブや議員たちに580通もの手紙をだしましたが返事は戻ってきませんでした。最初に寄付をしてくれたのは、Gregの母が勤めている小学校の子供達。そして登山家たちが集まるパーティをきっかけに人脈を広げていき、高名な物理学者、登山家などから寄付を集めました。
貧困、賄賂のはびこるパキスタンでは女の子に教育を施す機会などなく、女の子への教育を禁止している地域さえありました。利権を争い賄賂を要求する実力者たちの妨害や、建設機材の盗難、タリバンに誘拐されるなどの困難に遭いながらも、”子供たちのために学校を建てたい”という強い信念のもと、村人たちと手作りの学校を建てます。
タイトルの”Three Cups of Tea” は村の長老Haji Aliがアメリカ流のやり方を通そうとして村人と軋轢が生じてしまったGregに対して言った言葉です。
”The first time you share tea with a Balti, you are a stranger. The second time you take tea, you are an honored guest. The third time you share a cup of tea, you become family, and for our family, we are prepared to do anything, even die.”
Gregの地道な活動は徐々にパキスタン、アメリカで理解を得て、ついにはCAIという基金をたちあげ、これまでに50以上の学校建設、女性のために自立援助、教師たちへの給料支払い、奨学金の設立などを行っています。
先月のThe Economist記事にTeacher-absenteeism の問題が載っていました。学校に行けば、当然のように先生が来ているという日本とは違い、アフリカやインドなどの貧しい地域では、お給料をもらっていても、先生が学校に来ない割合が20%前後あるようです。貧しい地域に学校を建てるということは大事ですが、お金だけ出しても70%〜80%はどこかに消えてしまい、目的のプロジェクトまでお金が回らないとのこと。
Money needs to be spent, therefore, not merely on building more schools or hiring more teachers, but on getting them to do what they are paid for, and preventing resources from disappearing somewhere between the central government and their supposed destination.
政府が上手く機能していない地域ではお金だけ渡してもダメで、Gregのように、村人と協力して学校を建てたあともその地域と交流を続ける、そういう地道な活動が必要だと思いました。
いい本だったわ。
教育って大事だよねーと言うのは簡単なことだけど、実行するのは命がけでやらなければならないくらい難しいことですね。でもその価値があるということをこの本を通して実感しました。
Haji Aliが羊をぶん取られた時に言った「羊はそのうち死ぬけど学校はずっと残る。子供たちが受けた教育は永遠」みたいなセリフは心底感動しました。
エミコフさんへ。Haji Aliの台詞をここで見ただけでもまた涙が…。学校に行っても学がない人が多い中、文盲のHaji Aliの賢さに感動しっぱなしでした。
そしてみんなで感動を分かちあえてよかったよね。
早いですね~。こちらはおとなの本を読んでいるので、やっと募金があつまってパキスタンに到着して資材を買うところです。笑
小学校の子ども達があつめたpennyが山を動かすことになる・・・という文章に感動しました。
老人と海では読むたびに潮の香り、魚のにおいが感じられましたが、今回はなんかホコリっぽいです。笑 鼻がもそもそします。笑
まだまだ道のりは長いですが、たのしくよんでます。(ちょっと難しいけどね。笑)
Leonieさんへ。大人版は長いですよね…。最初のほう、Gregの挫折の日々の詳細が長くて、読んでいるうちにこちらもdepressiveな気分に…。
それでもそこで諦めないところがスゴイと思いました。
老人と海、懐かしいですね…。魚を生のまま、味付けなしで食べられないから、遭難した時のために醤油も持っていくべきだとか話した記憶が‥。
1冊読むごとに思い出が増えますね。