Go Metric!

The World Factbook によると、世界でメートル法を用いていないのは、アメリカ、リベリア、ミャンマーの3カ国だけだそうです。

 

アメリカで不便だなと感じるのが、日本と単位が違うこと。例えば、距離はkm ではなくマイルだし、ガソリンや牛乳はリットルではなくガロン。今日は97˚Fもあって暑いねと言われてもピンとこないし、体重が12 lb 減ったのがスゴイことなのかどうかもとっさには分かりません。

 

混乱しているのは個人だけではなく、アメリカだけ違う単位法を用いている事で経済的損失もあります。輸出入の時に商品ラベルの単位を書き換えるコストもかかりますし、アメリカ国内でも科学の単位は国際基準を使っているので科学者も混乱します。NASAから1999年に打ち上げられた火星探査機は、単位系の取り違いミスに気づかず、火星に墜落したと見られています。国際標準のメートル法とEnglish Units (ヤード・ポンド)を使っているチームがいたという単純なミスのために、$125 million ドルもの損失を出してしまいました。

 

このように問題の多いEnglish Unitsですが、1970年代にメートル法に切り替える法案が作られたものの、実際には上手くいかなかったようです。

 

そしてこのたび、アメリカもメートル法に切り替えよう!と本気で提案する大統領候補者が現れました。Go bold! Go Metric! をスローガンに掲げているのは、前ロードアイランド州知事で、民主党から2016年大統領選への出馬を表明したLincoln Chafee氏。

 

ただ、大統領候補者のスローガンの一つとして掲げられるのは非常に微妙・・・。メートル法に切り替えることで、国際社会にも受け入れられ、将来的には経済的にも好ましい結果となる、という主張は分かるのですが、出馬表明の会見としては、もっと大きな国際的ビジョンを掲げてほしい。

 

この動画は会見の一部ですが、えも言われぬ泡沫候補感を醸し出している気がします。アメリカもついにメートル法採用に一歩前進か!とスローガンを見て心躍らせたものの、会見を見たかぎりでは道は険しそうだと思ったのでした。

 

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