アメリカでの休みの取り方

日本で働いていた時、1週間ほどの休みが取れないことが不満でした。日本の年次有給休暇の取得率は47.1%(平成24年)だそうですが、私が働いていた職場では有給休暇を実際に取った人がおらず、夏休みの取得も上司の采配次第。3年連続夏休みと有休が無かったので、4年目に「海外旅行に行きたいので絶対1週間休みます!」と宣言して有給をもぎ取った時は、「どうして休むの?」「本当に休むつもりなの?」と、非難囂々でした。

 

 

法律で初年度から10日間の有給休暇が与えられているにもかかわらず、何故休めないのか。職場の雰囲気的に取得しづらい、皆に迷惑がかかる・・・等々の理由がありますが、一番大きな理由は、「休んでいる間も業務が滞ってはならない」という暗黙の了解があり、その条件を満たすことが難しかったからでした。

 

 

アメリカでの休暇

アメリカに来てから気付いた日本の有給休暇との違いは、「休んだ人の業務は滞る」ということでした。当たり前のことのようですが、かなりの衝撃を受けました。。。

 

 

例えば秘書さんが10日間休んだとします。秘書さんに頼みたいことがあっても、よっぽど急を要する事でなければ秘書さんの休み明けまで待つ必要があります。偉い立場の人の場合は、遠慮無く代理の人に頼みますが、ほとんどの用事は秘書さんが帰ってくるまで延期されます。留守を任された人が休んだ人の分まで2倍働くという事はありません。

 

 

11月第4週にあるサンクスギビングデーからクリスマスにかけては有給を取る人が多く全体的にホリデームードが漂います。小売業などでこの時期が特に忙しい!というのでなければ、この時期はなかなか仕事がはかどりません。

 

 

「皆に迷惑が掛からないようにする」「休んでいる間も業務に支障をきたさない」などと気を使い出したら有給など取れません。アメリカでも業種によって休みの取り方は違うと思いますが、「誰かが休んでも業務に支障をきたさないように残りのメンバーが2倍頑張る」という助け合いがないのが日本と違うところでしょうか。誰かが休む→不便だけどお互い様だからしょうがない、とおおらかな気持ちで受け入れることが大きな相違点だと思います。

 

 

アメリカでは年次有給休暇の付与は義務付けられていない

 

日頃は一生懸命働き、休む時はしっかり休むイメージのあるアメリカですが、意外なことに有給休暇の付与は義務づけられていないそうで、労働者のおよそ4人に1人はまったく有給がないようです。おまけに産休の付与も義務づけられていないので、非常に厳しい雇用条件で働いている方もいらっしゃるようです。給料の高い業種ほど有給などの雇用条件が良く、有給休暇の平均は13日/年、低賃金労働者の平均有給休暇は7日/年というのは切ない話です。

 

 

私が今働いているアメリカの職場では、初年度から有給休暇が年に25日あります。日本の同じ業種で求人票を見ると、初年度の有給休暇は10日。アメリカでも25日というのはかなり恵まれたほうだと思いますが、さらに良いのは休暇を自分で好きにアレンジ出来ることなのです。もちろん自分のスケジュールを整理し、事前に上司や同僚に相談しますが、連続取得も可能です。私は夏休みとして5日+土日、春に3日+土日、金曜と月曜の休みを二回取りました。これでも年に12日ですが、休みがまとめて取れたことで非常に満足度が高いです。私が所属しているのがあまり忙しくない部署だからかと思いきや、忙しい部署で働いている知人は夏と冬に10日ずつ、残り5日は必要な時に1日ずつ取っているとのことでした。実際に休んでみて思うのは、多少不便であってもお互いに譲りあって休みが取れた方が仕事に対するモチベーションも上がるということです。そして私が休んでも社会は問題なく回っている・・・。日本で堪え忍んで働いていたのは何だったのか・・・と虚しい気持ちになりました。

 

 

休んでいる間の業務を誰かに100%カバーしてもらおうと考えると連続で休暇は取れません。誰かが休んでいる間も無理にカバーせず、お互い様として不便さを受け入れるようになったらいいなと思います。

 

【今日の一枚】

Little Italy

NYのリトル・イタリー。

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