【オーディオブック】The Word is Murder (2018)

The Word is Murder (2018)

時間:9時間2分

発音: イギリス英語

評価: 4.5 out of 5

 

【あらすじ】

人気イギリス俳優の母親が、自らの葬儀を申し込んだ数時間後に他殺体で発見された。作家のアンソニー・ホロウィッツは、元刑事で現在はロンドン警視庁コンサルタントであるHowthorneとともに事件に取り組むこととなる。

 

【感想】

最近 Magpie Murders / カササギ殺人事件 がとても面白かったので選んでみた。

 

自分が書くミステリーに自分自身として登場するってどういうこと!?と不思議に思ったのだが、フィクション、回想録、イギリスのテレビ制作舞台裏などが絶妙に織り交ぜられていて非常に面白かった。映画「タンタンの冒険」続編の脚本を担当することになった作者と、スピルバーグ監督、ピーター・ジャクソン監督が打ち合わせしているところに、フィクションのHowthorneも出てくるところなど、どこまでがフィクションでどこからが本当化わからないほど!

 

多読初期にアレックス・ライダーシリーズが大好きだったので、作者が当時児童作家から大人向けの小説家になろうとしていたこと、作家業のほかにイギリスでTVシリーズの脚本も担当していたことなど、当時の事情を知ることが出来たのもファンとしては嬉しかった。

 

ここからはネタバレ。 Spoiler alert!

絞殺体で発見されたダイアナ・クーパーは、約10年前に不注意から轢き逃げ事故を起こし、8歳の双子の男の子のうち一人が死亡、もう一人は脳損傷を負った。ところが、「メガネをかけ忘れて前がよく見えていなかった」という理由が当時の法律では違法ではなかったため無罪となった。10年後、金に困った双子の父親がダイアナの前に現れ保障を請求、断られると脅迫まがいの言葉を残していった。

 

双子の父親による怨恨殺人ではプロットが単純すぎる。そうこうしているうちに、ダイアナの息子人気俳優Damienも自宅で惨殺される。そこからダイアナ、ダミアンの過去をたどっていくうちに俳優養成学校の同級生に行き着くというストーリー。

 

犯人は最初から登場していて少しずつヒントを残しているのに全く気づかなかった!そんな動機で三人も殺すか!とは思ったのだけれども、それだけ俳優として成功するというのは厳しい道なのかもしれない。

 

もう一人の主役Howthorneは、このご時世に憚ることなくホモフォビアな発言をするなど、かなり性格が悪く問題のある男。相棒となったアンソニーとの間にも不協和音が生じていて、とてもじゃないが共感できる要素ゼロ。ただ、今後徐々に二人の仲が変化していくのもこのシリーズの醍醐味なのかもしれないとは思った。

 

YL: 7.5

語数 81,544語 (Word Counters より)

 


The Word Is Murder:

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