【オーディオブック】Alibaba (2016)

Alibaba (2016)

時間:9時間9分

発音:アメリカ英語

評価:4 out of 5

 

中国人ならAlibaba創業者、Jack  Maの立身出世物語は誰もが知っていると聞いて選んだ本。1999年のAlibaba創業から2015年までの記録。Alibabaだけではなく、YahooやeBay、テンセントなど、米・中国のIT企業との関係も知ることが出来て興味深かった。

 

作者は1994年から中国を拠点として投資アドバイザーとして活躍しているアメリカ人。操業後まもなくのAlibaba株を一株30セントで買うチャンスがあったのに、あまり業績が芳しくなかったために買わなかったらしい。買っておけばその後30億円相当にまで株価が上昇したと聞いて、投資を生業としている人でもこのような失敗をするのだから、素人である私が創業間もなくの成長株を見つけて株で大儲け出来るわけないと納得したエピソードだった。

 

Alibabaは1999年、英語教師だったJackが妻や教え子たちと16名で設立した。オンラインショップ以前の中国の実店舗では、中国政府が土地を所有し、地価を決めていたために、店の売り上げが上がると賃料が高騰していたらしい。そのため売り上げが上がっても、設備やサービス向上にお金を投資するインセンティブが少なかったのだとか。2000年以降、中国でインターネットが拡まるに従い、Alibabaは翻訳サービスからタウンページ的サイト、そしてe コマースサイトへと急速に事業を拡大させた。

 

ジャックは数学もITも得意ではなかったが、英語と対人スキルが高かったようだ。中学生の頃から自転車で40分かかるホテルに通い、観光客相手に無料の観光案内を申し出て英会話スキルを磨いた。そこで知り合ったオーストラリアの一家と文通を続け、ジャックが大学入学後には生活援助を、そして結婚時には新居費用として180万円相当を支援してもらっている。ソフトバンクの孫社長も、ジャックと会ってすぐに巨額の投資を決めた理由として「嗅覚で分かる」と言っていたらしい。こいつは成功する、支援したいと思わせる何かがあったのだろうか。

 

YouTubeでジャック・マーのインタビューをいくつかみたけれど、カリスマ性のようなものは感じられなかった。ただ、絶対に成功させるという信念、失敗してもそこから学ぶこと、ライバルと敵対せず、誰とでも良い関係を築こうとすること、など“賢者”の雰囲気を感じさせる人だと思った。

 

YL: 7 (概算)

語数: 81,761 語

 


Alibaba: The House That Jack Ma Built

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