【オーディオブック】The Wheel of Time 時の車輪シリーズ読了

The Wheel of Time/時の車輪シリーズ14冊をオーディオブックで読了しました。

 

全世界で8000万部を売り上げた人気ファンタジーで、2021年11月にAmazon  Originalでドラマ化が開始されました。アメリカにいた頃、麻酔科の先生が「8巻くらいまで夢中になった読んだ。作者が亡くなった後に続きも出たので読みたい」と言っていたのを聞いて気になっていたシリーズでした。ドラマ化されたタイミングで聞いてみることにしたのですが、今年1月から聞き始め、14冊で合計450時間6分。長かった・・・。

 

あらすじは、エモンズ・フィールドに住む3人の若者ランド・アル=ソア、マット、ペリンが闇王の魔の手から世界を救うお話です。1990年第一部The Eye of the World が刊行され、2005年に第11部Knife of Dreamsまで出版された後、2006年に作者ロバート・ジョーダンが心アミロイドーシスに罹患している事を公表、2007年9月に亡くなりました。ロバート・ジョーダンは亡くなる前にエンディングまでの重要なプロットを仕上げていたそうで、作者の死後、妻がミストボーンシリーズのブランドン・サンダーソンを後継に指名。子供の頃からThe Wheel of Time の熱心な読者であったというブランドン・サンダーソンが物語を引き継ぐことになった過程を第12部The Gathering Storm の冒頭で語っていました。

 

シリーズ14冊全部を読んでの評価は3.8/5 かな。時間軸が円環となっているという考え方はヒンドゥー教や仏教から取り入れられたらしく、これに創造神と破壊神の神話的エピソードが組み込まれています。この世界には「絶対力」と呼ばれる超能力のようなパワーの源があり、それぞれの性が使える「男性源」と「女性源」に分かれています。

 

3000年ほど前、世界を破壊しようとした闇王シャイタンを竜王ルーズ・セレン・テラモンは倒しましたが、この時「男性源」は闇の勢力により汚染されてしまったため、ルーズ・セレン・テラモンは発狂、世界を破壊してしまいます。以後、男性源からパワーを引き出す男性達は絶対力を使ううちに発狂する運命となり、男性源を扱える男性は女性源を扱う異能者アイセダイから狩られ能力を消されることになったのです。

 

この世界では時間軸が円環になっているため、竜王ルーズ・セレン・テラモンはいつの日か復活するという伝承があり、女性源を操る異能者たちの集団であるホワイト・タワーから派遣されたアイセダイ、モイレインはいつの日か復活するであろう「ドラゴン・リボーン」を探し世界中を旅しています。辺境の地、トゥー・リヴァーズ地方にあるエモンズ・フィールドを妖獣トロロークが襲った時、モイレインはドラゴン・リボーンと年齢が合致すると思われる20歳前後の3人の若者ランド・アル=ソア、マット、ペリンを連れ出し、異能者の本拠地ホワイト・タワーへと旅立つのです。

 

世界観としては面白いし、14巻にも及ぶ壮大な物語に相応しいエンディングを用意してくれたことには満足しているのですが、どうしても女性の描き方がイマイチで、そこが大きなマイナス点でした。どの女性たちも高慢ちきで我が強すぎるのです。大勢いる登場人物たちの中で1−2人なら「そんな人、現実世界にもいるよね」でスルーできるのですが、出てくる女たちのほとんどが相手を自分の思うように操ろうとし、自分だけが正しいと思い込み、相手の気持ちなどお構いなしに策略を練るのです。「強い女」を描いているともいえるかもしれませんが、女性キャラクター部分を読むのが苦痛なレベルでした。

 

邦訳は第14部のうち12巻まで出ているようです。ドラマシリーズが流行れば最後まで邦訳が出るのではないでしょうか。原書は英語自体は難しくはないものの、とにかく登場人物が多いのと、造語が多いのでファンタジー慣れしていないと難しく感じるかもしれません。450時間ぶんの壮大な異世界に浸りたいエピック・ファンタジー好きにはおすすめ。


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