Who speaks English?

The Economistに掲載されていた Who speaks English という記事 で、第二外国語として英語を学ぶ国々が比較されていました。

この記事で日本は、

Scandinavians are shockingly fluent, while the Japanese lag despite years and billions of yen spent trying.

金と時間をかけた割に(英語が)下手、と英語が出来ない国の代表格に。

これは、EF Education First という会社が44カ国の200万人に行った無料のオンライン英語テストの結果をまとめたもの。

トップ5は

1. ノルウェイ

2.オランダ

3. デンマーク

4. スウェーデン

5. フィンランド

下位の5カ国は、パナマ、コロンビア、タイ、トルコ、カザフスタンでした。(アフリカやシンガポールなどは、十分な参加者がおらず、統計には含まれていません)。日本は44カ国中14位。

英語能力と相関していた要素がいくつか挙げられており、ひとつは経済状況が豊かで国の規模が小さいこと。これは、母国語を話す人数が少ないほど、国際社会で英語を使う必要性が高いからのようです。二つ目は輸出の割合が高いこと。

意外だったのが、英語を習い始める年齢が若ければ若いほどいい、というわけではないこと。10-12歳で英語を開始するデンマークやオランダのほうが、8-11歳で始めるスペインやイタリアよりもテストの結果が良いようです。

教育方法に関しても日本が悪い例として挙げられていて、暗記重視の教育方法が努力の割に結果が出ない理由であろうと結論づけられています。このレポートの結語に、

To gain maximum benefit from time spent studying English, both students and teachers should place the priority on communication, not grammatical correctness. Many adults, having studied in a more traditional English as a Foreign Language context, need extra practice listening and speaking.

英語学習にかけた時間に対して最大の利益を得るためには、文法的な正しさではなくコミュニケーションに重点を置くべきであり、大人の学習者はもっとリスニングとスピーキングに力を入れるべきである、と書かれていました。

金と時間をかけたわりに・・・と、残念な国の代表になっているのがせつない。この記事に挙げられている以外にも日本人が英語が出来ない理由は、英語と日本語の構造の違いが大きい、英語を話せなくても困らない等々いろいろあると思います。が、せっかく時間とお金をかけている以上は成果を出したいものです。

今の英語教育がどうなっているかは知りませんが、私が学生の時は英語教師の説明を聞いている時間が多かったと記憶しています。英語を使う授業というより、文法や構文の説明を聞いて理解する授業。読解もリスニングも、どうやったら上手く読めるか/聞けるか、という方法を教えるのではなく内容の解説でした。大人になって学校教育型の英語学習をする必要がなくなった今でも、英語学習というと時間をかけて文法書を読んだり、問題集を繰り返し解いたりしている人もいまだにいるんじゃないかな。学生時代のやり方で英語を習得出来なかったわけだから、大人になってさらに学校教育型の学習をやり直すことだけがいい方法だとは思えないのです。

大人向けの英語スクールでもTOEIC対策として文法解説や解き方指導などを行っているところがありますが、先生にとっても文法解説がラクなんじゃないかと。英語を上手く使えるようにする指導というと漠然としているし、生徒の個人差もあって難しい。口で簡単に説明出来るものではない。生徒にしても英語を”教えてもらう”という意識があると、解説型の授業が好まれるのではないかと思うわけです。


文法重視からコミュニケーション重視へ。日本も”小国で、輸出の割合が大きい”という、英語能力が高い国の特徴に当てはまります。しかも熱心に勉強している。勉強の仕方を工夫することで今後日本の英語能力が上がり、個人の可能性が広がればいいなと思います。

週末に撮った桜。桜もレンゲも菜の花も満開でした!

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Who speaks English? への4件のフィードバック

  1. Akiko T のコメント:

    日本の英語教育の多くはゴールが不明確だよねぇ。
    だから解説型の授業で完結しちゃって、生徒の実力が伸びないんだねぇ。
    ゆっくりゆっくりレベルをあげながら十分にインプットして、実際に使ってみる訓練もして、ということを続けていけば誰でもできるようになるはずなんだどねぇ。
    正しい方法で時間をかけて努力すれば、何も難しいことじゃないはずなんだけど、正しい方法で学んでる人は未だ少ないんでしょうね。

    • yuko のコメント:

      あきこさんへ。説明して、教えてもらうだけじゃ、なかなか自由に使えるレベルにまでいかないですよね。
      学校じゃ、高校受験、大学受験、就活があって、ゆっくりゆっくりレベルをあげる余裕はないんだろうね。でもテストの点数に結びつかない方法も、遠回りに見えて英語力は上がると思うんだけど。

  2. kumiko のコメント:

     確かに学校英語の目的ってなんだったのかな~。今年から小学校の英語授業が本格化し、息子の通う小学校にもネイティブの先生が来て遊んでくれるそうです。少しずつ、変わっていくといいな。
     でもね、教え方もあるでしょうけど、文法の違いって大きいと思います。韓国語は日本語と文法が同じなので、発話に困ることはほとんどありません。1つ単語を覚えれば、その分しゃべれるようになる確かな実感があります。英語だと「本が読みたいなー」というとき「本」じゃなくて、日本語では頭に浮かびもしない「私」という単語を探さなくちゃいけない。これ結構ハードル高いと思うんですよね。こういう集計だと、韓国も下位じゃないですか?
     洋書でスパイものなんか読んでいると、『数ヶ国語ペラペラ』なんて良く書いてありますが、韓国語を少し勉強した今は「私だってヨーロッパに生まれていたら『数ヶ国語トツトツ』くらいにはなっていたわよ!」と開き直るようになりました。

    • yuko のコメント:

      kumikoさんへ。コメントありがとうございます。
      中学・高校と進むにつれ、基礎の文法から実用へと進化しながら教えてくれればいいんですけどね。中1から最後まで、似たような形の授業で精読をやらされるのはつまらなかったです。大人のやり直し英語も、文法書をじっくりやろうとすると実践にたどりつかないまま嫌になってしまいます。私も文法をおろそかにしていい、と言いたいわけではありません。SVOや時制くらいは知ってます… が、文法を完璧にする前に多読にシフトして良かったと思っています。

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