Edge of Eternity (The Century Trilogy #3)
- Written by: Ken Follett
- Narrated by: John Lee
時間:36時間55分
発音:イギリス英語。180語/分前後と早めだが、ゆっくりに聞こえる。
速度:180語/分前後。
オススメ度:4 out of 5. 3世代にわたる壮大な物語。
The Century Trilogyラスト。1巻目の主人公達の孫の世代となり、第二次世界大戦後からベルリンの壁崩壊までを中心に物語が進んでいく。
秘密警察に抑圧され、移動も、資本主義国の流行歌を聞く自由さえもない冷戦時代の東ドイツのストーリーは読むのが辛かった。現実の共産主義は、スターリンが掲げた理想の国家とは程遠く、イデオロギーを守るために、特権階級以外の人々が苦しんでいた。ベルリンの壁が崩壊するまでの28年間、東ドイツで暮らした一家の様子は、1980年台に起こったこととは思えないほどの酷さだった。
資本主義のアメリカも大きな問題に直面していた。黒人の人種差別撤廃を求めた公民権運動、キューバ危機、ベトナム戦争等、激しい意見の対立があり、アメリカ人同士の争いがあった。教会の日曜学校を狙った爆破事件で4人の子供たちが犠牲になったこと、キング牧師の暗殺など、数えきれないほどの犠牲を払い、主張し続けてきたうえで現在の権利を勝ち取ったことを実感した。
3世代、5家族+αにわたる人々の視点を通じて過去100年の歴史を垣間見ることが出来た。西側の視点に偏っていると感じる部分はあったものの、このフィクションをきっかけに、歴史により興味をもつきっかけになったのはよいことだと思う。共産主義やナチスの迫害を逃れて西側に移民してきた人々は、離れ離れとなった家族と死ぬまで会えない事もあった。このCentury Trilogyを読んだことで、現代も様々な問題があるものの、今はとても幸せな時代だと感じた。
3巻合わせて約100時間の大作だが、ジョン・リーのナレーションが心地よく、嫌になることなく聞き続ける事が出来た。3巻の最後に、「ジョン・リー」という子が登場するのだけれども、これはナレーターのジョン・リーから名付けられたのかも?ジョン・リーは、ケン・フォレットの大聖堂シリーズの朗読も良かったし、今後の作品でも是非ナレーターを務めてほしい。
YL:7.5 (概算)
語数:360,000語(概算)
Edge of Eternity (The Century Trilogy) (English Edition)
駐車場にて。落書き?それとも壁画?