- Written by: Peter V. Brett
- Narrated by: Pete Bradbury
時間:18時間14分
発音:アメリカ英語。
速度:150-160語/分前後。
オススメ度:5 out of 5.
【あらすじ】
文明社会は悪魔の到来とともに終焉を迎え、人々は夜毎現れる魔物に怯えながら暮らしていた。魔物と対峙する手段はなく、悪魔除けの護符で囲った家の中でじっと朝が来るのを待つしかない。日没後の移動が出来ないため都市間の交易は途絶え、年1−2回、護符描きの訓練を積んだ”メッセンジャー”が村々を周って伝達事項や交易品のやり取りをするのみとなっていた。
辺境の村に住んでいた少年アーリンは、母が魔物に襲われるのを目撃する。為す術もなく見守るだけの父に嫌気がさしたアーリンは村を飛び出し、メッセンジャーとなり魔物と対峙すべく一人で都市を目指したのだった。
【感想】
読み応えがあって面白かった!
中世ヨーロッパのような描写だが、現代のような科学的な文明が崩壊した300年後の世界らしい。主人公はメッセンジャーを目指すアーリン、薬草師見習いの少女リーシャ、後に旅の大道芸人となるロジャーの3人。それぞれの視点から、この荒廃した世界と、無力な子供たちの絶望感が見えてくる。
多くの人々が仕方ないながらも現状を受け入れる中、この世界を変えたいと努力をするアーリン達の成長物語が良い。3人の人生がいずれ交差し、アーリンがどのようにして”Warded Man” となったのかが明らかになっていく場面ではフィクションとは知りながらも辛かった。
シリーズ5作のうち現在3作目まで発表されている。1作目だけ日本語版があるものの、続きは邦訳されていない模様。これは面白かったので、日本でもシリーズが出ればいいのに!
YL: 8 くらい
語数:150,000語(概算)
The Warded Man: Book One of The Demon Cycle (The Demon Cycle Series)
護られし者 1 萌芽(1) (ハヤカワ文庫 FT フ 16-1)
【今日の一枚】
イエローストーン国立公園にて