海外旅行するのに英語はいらない・・・のか?

前回一時帰国した際、「今どきスマホもあるし、海外旅行するのに英語なんて要らないよね!」という話題が出ました。「ですよね〜w」と、その時は適当に話を合わせたのだけど、思い出しました! 海外旅行中に英語が出来ずに困ったエピソードを…。

 

「1ヶ月くらいイギリスに語学研修に行けば英語が話せるようになる」と本気で信じていたバカな大学生だった私は、春休みに大学生協が提供していたホームステイプログラムに参加しました。午前中は語学学校に行き、午後はフリーというカリキュラム。語学学校でのレベルテストは中級。同じ頃に入学した日本人達はほぼ皆さん中級でした。ただし、9ヶ月間通っているという日本人の方も同じクラス。”来たばかりの私達と、9ヶ月いる人が同じクラスっておかしくない?”と気づいたけれど後の祭り。1ヶ月くらいではどうにもなりませんでした。では半年頑張ればどうにかなったのかというと、9ヶ月の人も2年いた人も似たり寄ったりのレベルだったので、何年国外で勉強しようが、出来ない人は出来ないままなのだという非情な現実を思い知らされました。

 

ただ、言葉が話せなくても「行けばなんとかなる」というのは正しい。チケット一枚買うのでさえ、「ワン・チケット、プリーズ」と小さな声で言うのがやっとだった私でも、午後は毎日地下鉄でロンドンまで出かけては観光していました。

 

ホームステイプログラムも終盤にさしかかったある日のこと。私はロンドンでの観光を終え、Northern Lineの終点にあるホームステイ先へと向かう列車内にいました。すると、列車走行中に突然アナウンスが入り、まもなく最寄り駅に停車したのです。停車するなり、血相を変えて列車から降りる人々。何が何やら分からないまま、私もとりあえず皆さんに倣って列車を降りました。その後もホームにアナウンスが入るのですが、何と言っているのか全く聞き取れません。当時の私の英語力は、「Mind the gap」などの短い定型文が聞き取れる程度で、長文となるとチンプンカンプンでした。

 

そのままホームで待っていれば列車が再び発車するのか、故障なのか、テロなのか。全く分かりません。右往左往する人をつかまえて聞いたのですが、綺麗な列車のアナウンスさえ聞き取れない私が、普通の人が話す興奮したセンテンスを聞き取れるはずもなく…。

 

やがて人々が一斉にホームを出てバス停に向かったので、私もワケもわからずついて行きました。複雑な路線図と時間通りに来ないバスを乗り継いで駅の終点まで辿りつけたのが奇跡のようでした。

 

何か大きな事件だったらニュースで放送されるに違いないと思い、その日はずっとニュースをチェックしていたのですが、地下鉄での騒動については触れられませんでした。あの時何が起こったのか、今でも謎のままです。列車が停車するなり、皆慌てて外に出て行ったので、何か良くない事だったのではないかと思うのですが・・・。

 

「生きて帰って来れたんだから良かったじゃない!」と言われればそれまでなのですが、あれがもし本当にオオゴトだったなら、無事ではいられなかったかもしれないと思いました。

 

たしかに、英語が出来なかった時にも何回か単独で海外旅行に行きましたが、それ程困ることはありませんでした。フレンドリーに話しかけてくれる人がいても、思っていることが満足に言えなくて残念だなぁと思ったくらい。でも英語が出来なくて心底困るシチュエーションというのは、命にかかわるかもしれない重大な局面で起こるんだな・・・と実感しました。

 

そんな大変な事は滅多に起こらないし、一生遭遇しないかもしれません。でも周りで重大な何かが起こっていそうな中、ワケが分からないというのはとても不安な事です。英語圏に行くならば、多少の聞き取り能力は必要だと感じた出来事でした。

 

【今日の一枚】

思い出の地、ロンドン!

カテゴリー: リスニング タグ: パーマリンク

コメントを残す