アメリカ生活も残り少なくなってきたので、忘れたくないエピソードを書き留めておこうと思います。
まずは家探しの話から。私は3回引っ越しをして、4軒目の家で落ち着きました。最初に住んだ家がとにかくものすごい汚屋敷で、リビングルームは足の踏み場もなく、キッチンのドアには中学生の娘さんのブラジャーがぶら下がっているようなお宅でした(当時の日記はコチラ)。家全体のトイレ臭にも耐えかねて、2ヶ月で退去することにしました。
本当はアパートを借りられれば良かったのですが、ここは家賃が高く、1ベッドルームでも2500ドルが相場。治安が悪い場所であれば1800ドル程度でも借りられるのですが、年に何件かは殺人事件があるような場所。命には代えられません。
そこでCraigslistでルームシェアを探し始めました。職場から車で30分以内、1000ドル以下で良さそうな物件があれば片っ端からメールしました。この辺はルームシェアも激戦区で、1件あたり200通は問い合わせがあるそうです。従ってルームシェア相手として選んでもらうためには就職先に提出するような履歴書と2名の推薦書が要ります。運良くメールでピックアップして貰えれば電話で話し、部屋見学となるわけです。
メールで問い合わせした中に、海辺の素敵な豪邸で女性のみを募集している物件がありました。家賃は1200ドルと予算より少し高めだったのですが、職場からも近く、写真がとても素敵だったのでかなり気に入ってしまいました。運良く家主さんから電話が来て話すことになったのですが、これがかなりのインド訛りだったのです・・・。
私はこれまでにYouTubeでインド人訛りの英語を聞いたり、インド訛りナレーターのオーディオブックを3冊聞いたことがあり、「インド訛りでも結構聞き取れるんじゃない?」と思っていましたが、それは大きな勘違いでした。私が聞いていたのは、商業用に綺麗にまとめられた”インド英語”でした。
本場のインド訛りは凄かった。。。文章全体としては全く聞き取れません。ところどころ聞き取れる単語を拾って話をまとめると、
- 家主さんはインド人で25年前からアメリカに住んでいるらしい
- 投資関係の仕事をしているらしい
- シンガポール出身と中国出身の女性で共に金融関係の女性2人が住んでいる
- あと2人の女性の出身地と職業は聞き取り不能
- 6ベッドルームの豪邸らしい
- 私の経歴を見て気に入ってくれたらしい
- 女性のテナント5名と家主さんの6人で住む
ということが分かりました。相手は容赦なく喋りつつけるので冷や汗ものでした。
写真の豪邸を見て、こんな素敵なアメリカのお屋敷に住んでみたい・・・と夢を見ていたのですが、家主さんの話を聞いて正気に戻りました。インド人男性1人と女性5人で住むってハーレムみたいじゃない・・・?
女性のほうが素行が良い、部屋を綺麗に使ってくれるかもしれない、という単純な理由だったのかもしれませんが、どうしてもハーレムのイメージが思い浮かんでしまいました。
それに、こんなにも家主さんのインド英語が聞き取れなければ、何かトラブルがあった時にまともに話し合えるかどうか分かりません。それにとにかく押しが強い。私が住む気がない気持ちを伝えると、「何でだ!」「いいところなのに!」「みんないい人!」と息つく間もなく長所を並べ立てます。こうなると、押されれば押されるほど引きたくなります。
「すみません、やっぱり予算以上だったので・・・」と言い訳し、電話を切りました。
結局その家には住まなかったのですが、今でも時々あの家に決めていたらどんな感じだったんだろう・・・?と思い出します。金融関係の知り合いがいないので、違う分野の人と仲良くなれるチャンスだったかもしれないし、6人で住むとなるとトラブルも6倍で大変だったかもしれません。200ドル予算越えだったので辞退しましたが、予算以内だったら冒険してみたかもしれない。
それにしても家主さんの訛りは凄かったです。25年アメリカにいても直らなかったのか!と感心しました。その後、何人かインド出身の人たちと話すチャンスがあったのですが、あの家主さんほど訛っている人はいなかったので、特殊な例だったのかもしれません。インド人と話すのが初めてだった私には強烈な印象を残しました。
【今日の一枚】
Oregonにて。アメリカの広い空が好き。