【オーディオブック】Born a Crime: Stories from a South African Childhood(2016)

Born a Crime (2016)

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時間:8時間50分

発音:南アフリカアクセント?

評価:5 out of 5

 

2015年9月からアメリカのテレビ番組「The Daily Show」のホストを務めているトレバー・ノアの自伝なのですが、めっちゃ面白かったです!人気番組のホストにしては若いなと思っていたのですが、まだ33歳だったんですね。しかも南アフリカで生まれ育ち、2011年にアメリカに移住したのだとか。異国で笑いを取る、というのは外国人にとって最も難しいことだと思うのですが、それをスマートにこなしているのは素晴らしいです。

 

トレバーが生まれたのは1980年。トレバーは南アフリカ出身で黒人の母と、ドイツ系スイス人である白人の父のもとに生まれました。アパルトヘイト政策下の南アフリカでは、白人と有色人種の結婚は禁じられていたため、トレバーの存在自体が”罪”だったのです。トレバーの両親は正式に結婚はしておらず、トレバーが公の場で”お父さん”と呼ぶことはなかったそうです。

 

ではなぜ、トレバーの母パトリシアは禁じられていた白人との子供を持つことにしたのでしょうか。このパトリシアさん、かなり先進的というか、ぶっ飛んだ性格で、当時の黒人女性にしては珍しく英語を話し、秘書の仕事をしていたそうです。そこで20歳近く年上で独身だったトレバーのお父さんに、「あなたの子供がほしい。あなたは一切面倒見なくてもいいから」と声をかけ、トレバーをもうけたそうです。

 

当時の南アフリカは、白人、有色人種、黒人と階級が分かれており、黒人にはまともな教育も行わず、生涯奴隷扱いで肉体労働者として働かされていました。トレバーの子供時代の話を聞くと、あまりにも世界が違いすぎて、「いったいいつの話!?」と戸惑ってしまったのですが、まだ30年ほど前の話なのです。ネルソン・マンデラが開放された頃は特に覇権争いが激しく、通学路に生きたままガソリンをかけられて殺された焼死体が転がっていたそうです・・・。

 

それほど年も変わらないのに生まれ育った環境が違いすぎて、衝撃的な内容でした。とはいっても、シリアスな内容ではなく、トレバーのお母さんの強烈エピソードの数々がとても面白かったです。同じ時代を生きているのに自分とは全く別の子供時代がある・・・ということを実感できた一冊でした。

 

YL:7.5くらい

語数:94,240語 (http://www.readinglength.comより)

 


Born a Crime: Stories from a South African Childhood
 

 

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