2021年面白かった映画ー映画館編

2021年にみた映画は237本。そのうち映画館でみたものが97本でした。5月は緊急事態宣言で映画館が閉まっていたので、これがなければ憧れの年間100本達成出来たかも。

2021年公開映画で面白かった作品5本です。

Dune

これはグランドシネマのIMAXで観られて本当に良かった。原作本→映画→原作本→映画と2往復してようやく全体像が掴めた感じ。Villeneuve監督の世界観が素晴らしかったのです。

 

映画では、アトレイデス家の出身惑星であるカラダンの豊かさを象徴するように、「水」の存在が強調されています。例えば冒頭、ポールが目覚めるシーンでは、微かに雨音が聞こえている。変化の使者が訪れるシーンでは地面がしっとり濡れている。ダンカンがオーニソプターを操縦するシーンでは、わざわざ片方の翼を傾けて、川から水飛沫を跳ね上げているし、レトとポールが先祖の墓前で会話するシーンでは、バックに潮騒が聞こえている・・というふうに。後に砂の惑星Duneで体験する、一滴の水も無駄に出来ないような厳しい世界をより強く感じられる演出だなと感心しました。意識せずともふんだんにあった水の存在が、後にポールが失うことになる全てのものの象徴に思えました。

ジェイソン・モモアが演じた、ダンカン・アイダホが非常に良かったので、原作本シリーズも読み進めることにしました。

 

I  Care a lot  パーフェクトケア

ロザムンド・パイクが認知症老人の後継人となり、立場を利用して財産を巻き上げるお話。独居は無理であると裁判所が判断する仕組みを悪用、高齢者本人が望んでいなくても施設に収容されてしまう。世の中には捕食者と獲物しかいない、と割り切り、自分の欲望だけを叶えようとする女。

 

観ているだけで良心の呵責に苛まれたけど、ロザムンド・パイクの悪どさが突き抜けていて、強すぎる女っぷりが魅力的な作品でした。

 

Don’t Look Up

Netflix配信前に映画館に観に行きました。2人の天文学者が、ある日彗星を発見する。軌道計算の結果、彗星は確実に地球に衝突し、恐竜絶滅と同等以上の破壊をもたらすことがわかったため、人類に警告するために、米国大統領への直訴や、各種メディアに出演して危機を訴えていくが……というお話。SFぽくはなくて、アメリカ政治を風刺したブラックコメディ。マダムプレジデントがあり得ないダメさなんだけど、どこか既視感があって、そうだこれは女版トランプなんだなと・・。

 

迫り来る重大な危機を見ないフリ、無かったことにして科学者の警告を無視し、都合の良い話だけを政治利用するシチュエーションが、アメリカの悪いところを全て煮詰めた感じで面白かったです。

 

Drive My Car

村上春樹原作、批評家の間で評価が高いと聞いて、よく分からないものをありがたがらされるんじゃないかと警戒していたけれど、雑に生きている私にも良さが分かった作品。

 

冒頭部分は退屈でした。マルチリンガルなチェーホフの芝居は字幕が出ているとはいえ感情が伝わってこず、主人公夫婦の会話も奇妙。何度か意識が飛びかけて、「40代以降の男の魅力は毛量かな・・・」などと主演の西島秀俊を見ながらぼんやり考えたりしてしまいました。

 

色々な出来事があっても物語は淡々と進んでいきますが、車の後部座席での高槻の告白シーンから一気に面白くなります。夫には語られなかった物語の続き。奇妙な会話が何のメタファーだったのか仄めかされるシーンはドキドキしました。

 

暗い過去を抱えた寡黙なドライバーの女の子のエピソードで、普段意識的に遠ざけようとしている死について考えさせられ、主人公たちと一緒に永遠の別れを経験しているような、感情を揺り動かされる展開でした。

 

作品中、登場人物と悲しい出来事を共有したことで、後半で繰り返されるチェーホフの芝居が突然意味を持ち始めます。あんなに退屈だと思ったチェーホフの芝居に感動するなんて。同じ芝居とは思えない変わりようでしたが、変わったのは芝居ではなく、観客である自分の心なんだなと。知らぬ間に私の人生に何かを付け加えた作品でした。

 

終始落ち着いた感じの作品だったけれど、最後はそれぞれが前向きに人生を歩き出したんだろうな・・と希望を感じさせる終わり方なのも良かったです。

 

Cruella

ディズニー101匹わんちゃんのようなものかと思っていたら全然違って、良い意味で期待を裏切られました。1970年代ロンドンのファッション、音楽、全てがお洒落で素敵!観終わった後は、クルエラのような尖ったファッションをしたくなるような作品でした。パーフェクトケアのロザムンド・パイクの時に思ったのですが、私はサイコパス味がある強い女の作品が好きなのかもしれない。

 

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2021年面白かった映画ー映画館編 への2件のフィードバック

  1. kov のコメント:

    あけましておめでとうございます。
    年間237本はすごいです!
    忙しい中で映画を見る時間(特に映画館へ見に行く時間)を捻出するのは大変だと思いますが、今年もお互いがんばりましょう。

  2. fukurou のコメント:

    kovさん、あけましておめでとうございます。

    今年は待ちに待ったバットマンの公開があるので何としてでも時間を捻出しないとですね!

    今年もよろしくお願いします!

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