2021年に観た過去作ベスト10 Part1

2021年に見た237本のうち、過去作は140本。その中で特に面白かった10本の記録です。

 

The Rock (1996)

エド・ハリス演じる海兵隊のHummel将軍が、軍の化学兵器を奪いアルカトラズ島に立て篭もります。目的は、これまで極秘ミッションで命を落とした兵士たちの家族へ補償を行うこと。要求が通らなければ87人の人質を殺し、サンフランシスコに化学兵器爆弾を打ち込むという。

この計画を阻止するためにSEALと共にアルカトラズ島に送られたのは、FBI化学専門家のスタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)と30年前からアメリカ政府に極秘に幽閉されていた元イギリス諜報員Mason(ショーン・コネリー)。Masonは難攻不落といわれたアルカトラズの監獄を脱獄した過去があった。

 

2021年度午前10時の映画祭、1作品目でした。ベスト10の中でThe Rockだけ死ぬまでに見るべき1001作品に入っていません。こんなに面白いのに!知らずに死ぬと後悔が残る作品です。こんなに面白いものを見逃していたなんて、私は映画に限らず他に人生の良いものたくさん見逃してきたのではないか・・と思ったほどでした。

 

とにかくショーン・コネリーが素敵。身のこなしがエレガントで、元英国の凄腕諜報員という設定に説得力があります。ニコラス・ケイジも実践はからっきしで頼りない化学者ですが、人として誠実で、覚悟を決めた後の清々しいほどの活躍ぶりが非常に良かった。エド・ハリスも難しい決断を下すジェネラルの高潔さがありました。今更ですがオススメ。

 

MadMax: Fury Road(2015)

公開時、映画館でみた時はそれほど良いとは思えなかったのですが、今回見直したら唖然とする程良かったのです。初回の感想は、「あんなに大変な思いをして出ていったと思ったら帰ってきた。途中の景色が綺麗だった」というそっけないもの。初回はストーリーを追うのみで細かい部分をだいぶ見逃していたようです。

 

砂嵐の中の表現が素晴らしかったです。どのシーンも赤の差し色が効果的に使われていました。砂嵐は赤い嵐ですし、トム・ハーディが繋がれている無機質な鎖に輸血チューブの赤が絡んでいるのも美しい。アポカリプス後の荒廃した世界なのに、カッコイイ改造車の軍隊に楽隊までついている。ギタリストが赤い着物風の服を着ていて、青い夕暮れにギタリストだけが赤く浮かび上がっているのが印象的で心を射抜かれました。監督は70代なのに色々と斬新な作品でした。折に触れて見なおしたい。

 

District9(2009)

30年前、南アフリカ上空にエイリアンの宇宙船が現れた。何らかの原因で船が故障したらしく、エイリアン達は飢えて死ぬ寸前だった。人類が救いの手を差し伸べ、District9にエイリアン達を隔離してから30年。District9は貧困、犯罪が蔓延するスラムと化していた。

 

前情報なく見たところ、社会風刺系が好きなので大興奮でした。ドキュメンタリー風で素人っぽさもありB級SF風なのですが、勢いがすごかった。主演のSharlto  Copleyが、冴えない中間管理職のオッサンから、嫌々ながらではあるけれど、ある意味“ヒーロー”になるまでの変貌ぶりが見事でした。本作品が映画初出演。監督の高校の先輩で、タレントエージェンシーなどを経営しており、制作側として参加したつもりが、テストショットで演じた動画をプロデューサーのピーター・ジャクソンが気に入り、そのまま主演を任されることになったのだとか。それにしても上手かったし、初心者ゆえの必死さが勢いに繋がって良かったのかもしれません。

 

エイリアンたちが姿形からShrimpと呼ばれ差別され、スラムに押し込まれている様子は、南アフリカに数多くいる貧困層の移民を表現した見事な風刺となっています。District 9は実際のスラムで撮影されており、あの酷い住環境はセットではなく、実際の誰かの住居である、という悲しい現実でした。続編があったら絶対見たい。

 

Enter the Dragon 燃えよドラゴン(1973)

ヤバい。大興奮。東急ハンズにヌンチャクが売っていたら絶対買っていたはず。

 

ブルース・リーが動いている姿を見たのは初めてでした。誰かがモノマネした姿や、テレビで一瞬紹介されたポーズを見た事があるくらい。ストーリー自体は単純で、犯罪組織のボスが主催する武術トーナメントに招待され、ある島に赴きます。そこには過去に妹を手ごめにしようとして自殺に追いやった男がいた・・というお話。

 

ブルース・リーの気迫、体のキレが凄かった。不思議なカリスマ性を発していました。公開当時に中学生だった人たちの感想を読むと、皆が夢中になったらしい。この後見たサタデーナイトフィーバーの主人公の部屋にはブルース・リーのポスターが貼ってあったり、作中にも「そんなことよりブルース・リーの映画を観に行こうぜ」「でも死んでるんだろう?」という会話がありました。

その後の作品達にどれ程の影響を与えたのでしょう。ストーリーは単純なのに、映画作品の良さって色々な要素があるな・・と実感した作品でした。

 

The Rocky Horror Picture Show(1975)

ハロウィンなので、有名なロッキーホラーショーでも観てみるか、と軽い気持ちで見始めたら大変な衝撃を受けました。

 

若いカップルの車が森の中で故障し、近くの屋敷に電話を借りに行きます。この辺りはツマンナーイ!と思いながら見ていたら!怪しいハゲのRiff Raff(この作品の原作者!)に迎えられ、Freakたちのダンスが始まります。そしてティム・カリー演じるDr. Frank-N-Furterに目が釘付け!トランスシルベニア星から来たトランスベスタイトって・・・。とんでもなくいかがわしいのに光り輝くような魅力でした。強烈なカリスマ。美しさとは内面から滲み出る自信からくるんだなと実感しました。

 

かなり無茶苦茶な設定なのに、謎の勢いで観客を連れ去る作品。ドラマGleeや、映画Being a Wallflowerでやっていたように、アメリカではティーンになると友達と連れ立って観に行く作品らしいです。1975年の作品なのに!自分が何者であろうとも、周りの目や意見に左右されず、自分らしくある事はこんなにも美しいんだと気付かされる作品だと思うので、思春期に友達と見にいくのに最適な作品なのかもしれません。仮装して友達と大騒ぎしながら見る思い出の映画館体験にもなりますし。アメリカにいた時、コスプレOK、声出し、前に出て演技もOKの上映会を定期的にやっていたので体験すれば良かった!と後悔しました。やはりなんでも体験してみるべきですね。

 

長くなったのでPart2に続きます・・・。

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2021年に観た過去作ベスト10 Part1 への2件のフィードバック

  1. kov のコメント:

    私も「ロッキー・ホラー・ショー」と「第9地区」は2021年に見た過去作ベスト10に入ります。特に前者は何度も繰り返し観たくなる中毒性のある作品ですよね。何度も名前を聞いたことはあったのになぜ今まで見たことがなかったのか不思議に思えてくるほど印象に残っています。 

  2. fukurou のコメント:

    ロッキーホラーショーは本場の自由な上映を体験してみたいですよね。第9地区も不思議な魅力でした。死ぬまでにみたい1001作品はよく分からない作品もあるけど、見逃していた面白い作品に出会えるので今後も楽しみです。

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