Fairy Tale (2022)
- Narrated by: Seth Numrich, Stephen King
- Length: 24 hrs and 6 mins
- アメリカ英語
評価:4.5/5
【あらすじ】
17歳の主人公チャーリー・リードは野球とフットボール部に所属する普通の高校生。しかし彼には辛い過去があった。彼が10歳の時に母親は交通事故で亡くなり、父親はその後アルコール中毒となった。チャーリーは、一日中飲んだくれる父親の世話を誰にも頼らずにこなしていた。父の会社の元同僚がアルコール依存の互助会に誘ってくれたお陰で、チャーリーが高校生になる頃には父親はアルコール依存から立ち直り、平穏な生活が戻っていた。
ある日チャーリーが近所で犬が騒ぐのを聞き駆けつけると、老人が転倒して動けなくなっていた。救急車を呼び、彼が入院中に犬の世話を引き受けたことでハワード・ボーディッチ氏との交流が始まった。
ボーディッチ氏の裏庭には鍵付きの小屋があるのだが、時々奇妙な物音が聞こえることがあった。氏の退院後もリハビリや家回りの雑用を引き受けていたチャーリーは、やがて裏庭にある小屋の秘密を知ることになったのだった。
【ネタバレありの感想】
犬の安否が気になる方へ。犬は無事です。
2022年9月6日に発売されたスティーブン・キング氏の新刊をオーディオブックで聞きました。新型コロナウイルスによるパンデミックが始まった頃、キング氏が“What could you write that would make you happy?”と自分に問いかけ書いた作品らしく、ハッピーエンドでした。が!Fairy Taleとは言っても本当のグリム童話のように途中経過は残酷で恐ろしいものでした。
ボーディッチ氏が亡くなる前に秘密を録音したカセットテープ。そこには庭の物置小屋から地底へと続く道があることが明かされました。ボーディッチ氏はその世界で金塊を得ただけでなく、日時計を逆回転させ数十年自分を若返らせたらしいのです。
ボーティッチ氏の死後、残された愛犬レイダーの命を救うため、チャーリーは物置小屋の向こう側の世界へ行くことを決意するのですが・・・。
入口に巨大ゴキブリがいた時点で無理かも・・と思いましたが、そこを越えるとあまり怖いこともなく。向こう側の世界の人々は灰色の肌で顔が無くなりかけているのですが、皆さん親切でチャーリーの手助けをしてくれます。平和だったこちらの世界を破壊し人々の姿を変えてしまった存在がいるらしく、どうやらチャーリーは言い伝えられていた“プリンス“となり、この世界を救うというお話。
少年と犬の冒険にワクワクしました。亡くなった老人から引き継いだ愛犬の命を救うための冒険となると応援せずにはいられません。犬が幸せな話で良かった・・・。オーディオブックでは、ボーディッチ氏のカセットテープメッセージがスティーブン・キング氏の声でした。心臓発作を起こす場面が迫真の演技でしたので、ぜひオーディオブックも聞いてみてください。
YL:7.5〜
語数:189,696語(概算)