【オーディオブック】The Twist of a Knife(2022)

The Twist of a Knife (2022) Hawthorne Book 4

発音:イギリス英語

評価:4/5

【あらすじ】

アンソニー・ホロウィッツ原作演劇「マインドゲーム」が公演された。公演初日を終え、打ち上げパーティで最初に公開された批評を読んだメンバーはあまりの酷評に憤慨した。辛口の批評で知られる女性批評家Harriet Throsbyの批評は辛口という範疇を超えて悪意が感じられる程だった。「あいつ死ねばいいのに」と悪態をつく主演に同調したアンソニーだったが、翌日ハリエットが刺殺されたことを知らされる。凶器はアンソニーに贈られたナイフだった。

 

【感想】ネタバレあり

ホーソーンシリーズ4作目。これまで3作のホーソーンシリーズを書いたアンソニー・ホロウィッツでしたが、4作目以降のオファーは断ることに。ダニエル・ホーソーンとの協力関係も終わり・・・と思った矢先に事件が起き、自分が容疑者になってしまいます。アンソニー大ピンチ!

 

逮捕されてしまったアンソニーは、無実の罪を晴らすため、ホーソーンに頼らざるをえず、結局また2人で捜査をするというお話。

 

これまで同様、フィクションの世界と作者アンソニー・ホロウィッツがうまい具合に溶け込んでいます。「マインドゲーム」出演者の中には、クリストファー・ノーラン監督の次回作「テネット」で名もない男を演じる予定の若手俳優もいるのです。ということは、ジョン・デヴィット・ワシントン?それともロバート・パティンソン??と思いましたが、特定の俳優さんではなく、少しずつ色々な人の要素が入っているようなキャラクターでした。ロバート・パティンソン成分ではないかと感じられる部分もあり読むのが楽しかったです。元カノのクリステン・スチュワートのTシャツを着ている登場人物も出てきたし、フィクションと現実の境を探すのも楽しみでした。

 

自分が書いた戯曲を意図的にこき下ろされたら誰でも一瞬の殺意を覚えると思うのです。それを演じた役者さんも。ただ、死ねばいいのにとは思っても、本当に実行するかは別問題。女性刑事さんがアンソニーを逮捕した時は、本物の警察はこれほどバカであってほしくない・・・と願わずにはいられませんでした。

ここから犯人ネタバレ。

 

真犯人はテネット出演を控えていた若手俳優さん。舞台の酷評が原因ではなく、少年時代に起こした傷害致死事件を批評家にバラされると恐れたのが動機でした。少年院を出所した後には新しいアイデンティティを与えられ、過去の事件と結び付けられないようにするらしいのですが、俳優のように目立つ職業を選ぶか?とは思ってしまいました。実際、過去の事件を取材し更生のチャンスを潰すような本を書いたHarriet Throsbyには一発で見破られていますし。記事ネタにするために未来ある青年の将来を潰したHarrietの事件は自業自得の結末であると思いました。

 

作中でアンソニーはペンギンランダムハウスとホーソーンシリーズ7作目までの契約を結だので、現実世界でもあと3冊は期待できそうです。

 

 

YL:7〜8

語数:114,816語(概算)

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