リスニング4000時間雑感:脳の翻訳機能

英語学習を始めたころ、リスニング方法について色々調べていた時に、学習サイトで気になる一文に出会った。一語一句は思い出せないが、”普通の人の会話やオーディオブックなどは、高速で英語→日本語に訳さないといけません”といった趣旨だったと思う。”リスニングは高速で日本語に訳しながら聞く”、というのが文字通り頭の中で日本語に訳していくという意味なのか、経験が浅かったころは全く意味が分からなくて悩んだ。実際、英語→日本語→英語と高速で流す教材CDもあって、本屋さんの英語コーナーでよく流されていたし。”日本語を介さずに英語を聞く”という事が本当に可能なのか、にも非常に興味があった。

 

今、4000時間ほどリスニングしてみて、オーディオブックや映画をリスニングする時に、”英語→日本語に訳しながら”聞いているかを注意深く振り返ってみたところ、全く日本語は介していないことに気づいた。強いて言えば、頭の中でイメージ化されているんだけど、それも普段は全く気にならず、日本語と同じ感覚で理解していると思う。

 

現在好んで聞いているファンタジーやノンフィクション系のオーディオブックでは、知らない単語は1ページに2-3個以内。その単語を初見で分からなくても、少し聞いているうちに何のことかはわかってくるので、知らない単語に出会っても、そこから先が聞こえなくなるという事はなくなった。例えば、主人公が持っている武器が、”シメター”と聞こえたとする。最初はシメターが何のことかは分からないが、物語を聴き進めていくと、刃が少しカーブした軽めの剣であることが分かる。耳から判断した綴りがScimetorで、Googleで確認すると、Scimitar。こんな感じで、気になる単語は後からググればだいたい意味があっている。

 

日本語で読めるレベルの本であれば、オーディオブックで聞いても分かる。ディクテーションすると、綴りが怪しい部分はあるが、冠詞なども含めて一語一語聞き取っている。聞き取れなくて飛ばしてしまう部分もない。が、オーディオブックを日本語に訳して英語の先生に提出すると満点をもらえるかというと、それは別の問題だと思う。

 

”日本語を介さずに英語を理解する”ということを考えていた時、英語学習者仲間にも意見を聞いてみた。オーディオブックリスニングをされている方は、”イメージ化して聞いていると思う”という意見だった。一番しっくりきた意見は、”脳には翻訳機能がある”というものだった。英語の学習を進めることで、自分では意識せずに脳の翻訳機能が働く、ということだろうか。では、この”脳の翻訳機能”を使うためには何が必要なのかを考えてみた。

 

リスニング初期のころ、7つの習慣や、ライラの冒険:黄金の羅針盤の理解度は80%程度だった。分からない単語があると、そこで耳がストップしてしまう。英語の音のリンキングに慣れていないので、音がつながっているところが理解しにくい、というのが問題だった。その後、ボキャビルと、スクリプト付き音源で文字と音を一致させ、多聴多読をすることで、オーディオブックなどの正しく発音されるものは、スピードが早くても、ストレスなく理解出来るようになった。

・聞いて分かる既知単語の割合を増やすこと

・ストレスなく読める本のレベルを上げていくこと

・文字と音を一致させること

 

が、”脳の翻訳機能”を使うために大事なのではないかと思う。オーディオブックを聞けたところだけ繋ぎ合わせて聞いているような場合は、聞いて理解出来る単語の数を増やしたり、ストレスなく読めるレベルの本を読むと、リスニングの理解度が上がるのではないかと思う。

 

今回リスニング4000時間目で感じたことは、

1. 日本語で聞けるレベルのものはストレスなく英語でも聞くことが出来る。

2. 映画やドラマの聞き取り度は登場人物による

ということ。

 

長くなったので、映画やドラマに字幕なしで挑戦することについて、また今度書きたいと思います。

 

これまでのリスニング記録は、リスニング800時間リスニング1000時間リスニング2000時間リスニング2000時間その2リスニング2500時間リスニング2600時間。リスニング時間は、オーディオブックやpodcastなどは聞いた時間×1,ドラマや映画などの映像付きのものは時間×0.5で加算し、海外生活での会話のやり取りやセミナー参加分などは加算していません。学習記録を他人と比較することは、意味がないとは思いますが、リスニング1000時間や2000時間で検索してこられる方が多いので、何かの参考にはなるのではないかと思い、記録に残しています。

 

【今日の一枚】アンテロープキャニオンにて。

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