クレジットカードの不正使用

アメリカに来てから8ヶ月で3回、クレジットカードの不正使用にあってしまった。そのうち2回は、ヨーロッパで15万円程度の商品を買われ、10万円引き出されていた。どちらのケースもカード会社が対応したので、実際に自分で支払う事はなかったのだけど、短期間で3回もクレジットカード情報が漏れたとなると気味が悪い。アメリカのスーパーマーケットTargetでカード情報4000万件が流出した件では、予防措置として事前にクレジットカード交換となった。日本では一度もカード不正にあった事はないのになぜだろう?と疑問に思っていたところ、2月15日号のThe Economistに、アメリカにおけるスキミング被害についての記事があった。Skimming Off the Top

 

記事によると、スキミング被害はアメリカで一番多く、アメリカ人の42%が過去5年間に何らかのカード被害にあっているそう。アメリカで被害が多い理由の1つは、流通しているカードが他の地域よりも多いこと。2013年の時点で、13億枚のクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードが出回っているそうだ。

 

もう一つの理由は、アメリカで出回っているクレジットカードのほとんとが、磁気ストライプを利用していること。磁気情報を使ったカードは、スキミングや偽造が容易に行われやすいため、ヨーロッパではICチップを埋め込んだICカードに移行しているようだ。磁気ストライプカードからICカードに変更しつつあるイギリスやカナダでは、カード不正被害額が過去最低となったとのこと。

 

2012年の時点で、世界のカードのうち45%、店側では76%がICチップ&PIN対応とのこと。アメリカではなぜ未だに磁気ストライプカードが使われているのか。それは、チップを埋め込んだICカードを顧客全員に再発行し、小売店側にも対応するカードリーダーを備え付けるには莫大な費用がかかるらしい。

 

アメリカほどのカード社会で、未だに磁気ストライプカードによるスキミング問題が解決されていないというのは驚きだった。自分が日本発行のICカードを持っていても、アメリカで使えないのでは意味がない。そしてアメリカで発行された磁気ストライプクレジットカードは、ICカード対応が主流のヨーロッパでは使えないなど、互換性がなく非常に不便。小売店側のカード読み取り機をICカード対応にするには費用がかかるだろうが、長期的にはカード不正による被害が減るので採算はとれるはず。今後Targetは、発行するクレジットカードをICカードにし、店舗側にも対応するカードリーダーを用意するとのこと。これを機に、ICカードが広く普及してほしい。

 

【今日の一枚】

アーチーズ国立公園

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