By Liz Moore
Read by Saskia Maareveld
時間:14時間35分
発音:アメリカ英語
評価:4.5
【あらすじ】
1975年8月の早朝、キャンプ場から13歳のバーバラ・ヴァン・ラーが失踪した。彼女はサマーキャンプの所有者であり、この地域の多くの住民を雇用している家族の娘だった。これはヴァン・ラー家の子どもが初めて失踪したケースではなかった。バーバラの兄も14年前に同じように姿を消し、いまだに発見されていないのだ。
混乱の中で捜索が始まるとともに、スリリングなドラマが展開していく。ヴァン・ラー家の秘密や、その陰で働くブルーカラーコミュニティの真実を追い求めながら、ムーアの複雑な物語は読者を秘密と再起のチャンスに満ちた濃密で心をつかむ世界へと誘う。
【感想】
2024年Goodreadsのミステリー/スリラー部門1位を獲得した作品。全然目にしたことがなかったけれども、これは納得の1位。
1975年に失踪したバーバラと、その14年前に8歳で姿を消した兄。2つの失踪事件が交互に語られます。時間を隔てた2つの悲劇が、物語の核を成しているのですが、バーバラの行方を追うキャリアの浅い若い女性捜査官の奮闘も心を掴む理由になっているのです。
序盤はゆっくりとしたペースで始まり、1970年代アメリカの森と、登場人物たちの心理が徐々に明かされていきます。一旦ふたつの事件の断片がつながり始めると緊張感が高まって、ぐいぐいと物語の持つ力に引っ張られて最後まで一気読みでした。
丁寧な情景描写と慎重なペース配分が、失踪事件を取り巻く霧のような不確実性を反映しているようでした。家族の軋轢が絡むミステリー好きにはオススメかも。
YL:7−8くらい
語数:130,500語(概算)