【オーディオブック】The Good Nurse (2013) グッド・ナース

The Good Nurse (2013)

時間:11時間35分

発音:アメリカ英語

 

2003年に逮捕されるまでの16年間、10の病院で患者にインスリンやジゴキシン、ドブタミン等を不適切投与し、300人以上の患者を殺したとされる看護師 チャーリー・カレンの実話です。ネットフリックスで映画化され、今週公開となりました。

 

本の感想です。

 

チャーリーが勤めていた病院では、回復途中だった患者の突然死や、インスリン、ジゴキシン製剤の紛失など、事件性を疑う兆候はあったものの、現行犯でないため警察を呼ぶ事もせず、また患者家族からの訴訟を恐れ、チャーリーを解雇勧告するのみでした。

 

アメリカでは、ナースは州ごとに登録をするシステムのため、州を変更すればこれまでの問題は掘り起こしにくくなるそうです、。結局警察は、チャーリーの親友だったナースに依頼し、病院で許可なく薬物を入手した手口を明らかにし、レストランでの2人の会話を録音し、自白のような会話を引き出しました。

 

裁判でも、これといった動機は明らかにされなかったそうです・・・。家庭がうまくいかず鬱憤が溜まっていた、自殺未遂を繰り返していた、などの理由はあったとしても、他人をランダムに300人以上殺すメンタリティが理解できそうにありません。

 

Netflix作品も映画館で鑑賞しました。主演はエディ・レッドメインとジェシカ・チャステイン。チャーリーは“女性っぽい雰囲気”と評されていたので、エディ・レッドメインは適役だと思いました。原作では、チャーリーの足跡を辿る形式で、親友ナースは逮捕前から出てくる程度だったのですが、映画では親友の女性ナースの視点で事件が描かれていました。心臓に持病があるシングルマザーにとって、勤務中も私生活も助けてくれるチャーリーの存在はどれほど心強かったことでしょう。穏やかで淡々と仕事をこなし、女性の
“親友”になってくれる頼もしい男友達。「まさかあの人がそんな恐ろしい事件を起こすなんて」とお決まりのセリフがぴったりな人物像でした。エディ・レッドメインは表面は良い人そうではありますが、内面を掘り下げていくと心の中は空っぽなのかもしれない・・底知れぬ不気味さを感じさせる演技でした。盛り上がりに欠けますが、「痩せていて、もの静かで仕事が出来て、いざとなったら頼りになる。こんな感じの看護師さん実際にいるよね・・」と恐ろしくなる作品でした。

 

YL: 7.5 (推定)

語数:95,680語(概算)

カテゴリー: ノンフィクション | タグ: , , , , , , | コメントする

本の読める店Fuzkue (フヅクエ)

本の読める店Fuzkue(フヅクエ)。以前から話には聞いていて、興味を持っていたものの、カフェで長居をすると迷惑なのではないか・・と行くのを躊躇っていたお店でした。

 

今回ののさんがフヅクエで黙って読書する会を開催するということで思い切ってお邪魔してみました。

 

洋書を読む人5人がそれぞれ2時間枠を予約。グループですが、店内はお喋り禁止のため黙々と本を読みます。お品書きとして渡されたのはメニューというか小冊子。そこにはフヅクエの思いやコンセプトが書かれていました。本当に読書に特化したカフェのようで、黙っていれば何をしていてもよいということでもなく、お勉強さえも禁止なのです。ずっと何かに書き込む作業や、パソコンで仕事をするのも禁止。ただ、電子機器での読書はOKのようです。パソコン作業する人って、どうしてそんなにカチカチ大きな音を立ててキーボードを打ち込むのか・・という人や、お勉強もたくさん本やノートを広げ、落ち着きなく動く人もいるので、静かに読書以外禁止、というのは読書に集中したい人にとってはありがたい環境です。居眠りなどもご遠慮いただきたい・・というのも思い切ったルールだと思いました。

 

飲み物がとても充実していて、デカフェのコーヒーがあるのも嬉しい気遣いでした。滞在中は席料がチャージされるので、何も頼まなくてもOKですが、食べ物・飲み物でお金を使うと、そのぶん席料が安くなっていきます。普通のカフェではコーヒー1杯で何時間も粘るのは迷惑ですが、フヅクエでは時間又は飲食料金でチャージされるので店員さんの態度を気にせず滞在することが出来ます。

 

私は2時間の滞在中、デカフェコーヒーとチーズケーキを注文しました。しっとりしたチーズケーキにナッツのカケラが入っていてとても美味しかったです。具たくさんのお味噌汁がついた定食も人気メニューのようです。

 

そして肝心の読書ですが。読書以外禁止空間での読書の捗ること!読書なら家や通勤電車の中でもできますが、途中でついついSNSをチェックしたり、むやみに家にあるお菓子を食べ続けてしまったりと誘惑が多く、集中し続けるのは難しい。その点フヅクエでは2時間ガッツリ集中して本を読むことが出来ました。今回は本を持参していたのですが、店内には私と全く好みの違う本たちがたくさん置かれており、普段自分では選ばない類の本を手に取るのも楽しそうです。

 

カテゴリー: ただの日記 | タグ: , | コメントする

【オーディオブック】The Twist of a Knife(2022)

The Twist of a Knife (2022) Hawthorne Book 4

発音:イギリス英語

評価:4/5

【あらすじ】

アンソニー・ホロウィッツ原作演劇「マインドゲーム」が公演された。公演初日を終え、打ち上げパーティで最初に公開された批評を読んだメンバーはあまりの酷評に憤慨した。辛口の批評で知られる女性批評家Harriet Throsbyの批評は辛口という範疇を超えて悪意が感じられる程だった。「あいつ死ねばいいのに」と悪態をつく主演に同調したアンソニーだったが、翌日ハリエットが刺殺されたことを知らされる。凶器はアンソニーに贈られたナイフだった。

 

【感想】ネタバレあり

ホーソーンシリーズ4作目。これまで3作のホーソーンシリーズを書いたアンソニー・ホロウィッツでしたが、4作目以降のオファーは断ることに。ダニエル・ホーソーンとの協力関係も終わり・・・と思った矢先に事件が起き、自分が容疑者になってしまいます。アンソニー大ピンチ!

 

逮捕されてしまったアンソニーは、無実の罪を晴らすため、ホーソーンに頼らざるをえず、結局また2人で捜査をするというお話。

 

これまで同様、フィクションの世界と作者アンソニー・ホロウィッツがうまい具合に溶け込んでいます。「マインドゲーム」出演者の中には、クリストファー・ノーラン監督の次回作「テネット」で名もない男を演じる予定の若手俳優もいるのです。ということは、ジョン・デヴィット・ワシントン?それともロバート・パティンソン??と思いましたが、特定の俳優さんではなく、少しずつ色々な人の要素が入っているようなキャラクターでした。ロバート・パティンソン成分ではないかと感じられる部分もあり読むのが楽しかったです。元カノのクリステン・スチュワートのTシャツを着ている登場人物も出てきたし、フィクションと現実の境を探すのも楽しみでした。

 

自分が書いた戯曲を意図的にこき下ろされたら誰でも一瞬の殺意を覚えると思うのです。それを演じた役者さんも。ただ、死ねばいいのにとは思っても、本当に実行するかは別問題。女性刑事さんがアンソニーを逮捕した時は、本物の警察はこれほどバカであってほしくない・・・と願わずにはいられませんでした。

ここから犯人ネタバレ。

 

真犯人はテネット出演を控えていた若手俳優さん。舞台の酷評が原因ではなく、少年時代に起こした傷害致死事件を批評家にバラされると恐れたのが動機でした。少年院を出所した後には新しいアイデンティティを与えられ、過去の事件と結び付けられないようにするらしいのですが、俳優のように目立つ職業を選ぶか?とは思ってしまいました。実際、過去の事件を取材し更生のチャンスを潰すような本を書いたHarriet Throsbyには一発で見破られていますし。記事ネタにするために未来ある青年の将来を潰したHarrietの事件は自業自得の結末であると思いました。

 

作中でアンソニーはペンギンランダムハウスとホーソーンシリーズ7作目までの契約を結だので、現実世界でもあと3冊は期待できそうです。

 

 

YL:7〜8

語数:114,816語(概算)

カテゴリー: Mystery/Thriller | タグ: , , , , , | コメントする

【オーディオブック】Fairy Tale (2022)

Fairy Tale (2022)

評価:4.5/5

【あらすじ】

17歳の主人公チャーリー・リードは野球とフットボール部に所属する普通の高校生。しかし彼には辛い過去があった。彼が10歳の時に母親は交通事故で亡くなり、父親はその後アルコール中毒となった。チャーリーは、一日中飲んだくれる父親の世話を誰にも頼らずにこなしていた。父の会社の元同僚がアルコール依存の互助会に誘ってくれたお陰で、チャーリーが高校生になる頃には父親はアルコール依存から立ち直り、平穏な生活が戻っていた。

ある日チャーリーが近所で犬が騒ぐのを聞き駆けつけると、老人が転倒して動けなくなっていた。救急車を呼び、彼が入院中に犬の世話を引き受けたことでハワード・ボーディッチ氏との交流が始まった。

ボーディッチ氏の裏庭には鍵付きの小屋があるのだが、時々奇妙な物音が聞こえることがあった。氏の退院後もリハビリや家回りの雑用を引き受けていたチャーリーは、やがて裏庭にある小屋の秘密を知ることになったのだった。

 

【ネタバレありの感想】

犬の安否が気になる方へ。犬は無事です。

2022年9月6日に発売されたスティーブン・キング氏の新刊をオーディオブックで聞きました。新型コロナウイルスによるパンデミックが始まった頃、キング氏が“What could you write that would make you happy?”と自分に問いかけ書いた作品らしく、ハッピーエンドでした。が!Fairy Taleとは言っても本当のグリム童話のように途中経過は残酷で恐ろしいものでした。

 

ボーディッチ氏が亡くなる前に秘密を録音したカセットテープ。そこには庭の物置小屋から地底へと続く道があることが明かされました。ボーディッチ氏はその世界で金塊を得ただけでなく、日時計を逆回転させ数十年自分を若返らせたらしいのです。

 

ボーティッチ氏の死後、残された愛犬レイダーの命を救うため、チャーリーは物置小屋の向こう側の世界へ行くことを決意するのですが・・・。

 

入口に巨大ゴキブリがいた時点で無理かも・・と思いましたが、そこを越えるとあまり怖いこともなく。向こう側の世界の人々は灰色の肌で顔が無くなりかけているのですが、皆さん親切でチャーリーの手助けをしてくれます。平和だったこちらの世界を破壊し人々の姿を変えてしまった存在がいるらしく、どうやらチャーリーは言い伝えられていた“プリンス“となり、この世界を救うというお話。

 

少年と犬の冒険にワクワクしました。亡くなった老人から引き継いだ愛犬の命を救うための冒険となると応援せずにはいられません。犬が幸せな話で良かった・・・。オーディオブックでは、ボーディッチ氏のカセットテープメッセージがスティーブン・キング氏の声でした。心臓発作を起こす場面が迫真の演技でしたので、ぜひオーディオブックも聞いてみてください。

 

YL:7.5〜

語数:189,696語(概算)

 

カテゴリー: ファンタジー | タグ: , , , , , | コメントする

Apple Watch バッテリー交換

2019年10月に購入したApple Watchシリーズ5の電池が持たなくなってきたので、バッテリー交換を依頼することにしました。血糖測定が出来るApple Watchが出たら買い替えるつもりですが、今年も血糖測定機能は付かなかったし。

 

Apple Watchの設定からバッテリーの状態を確認すると、最大容量78%でした。使用期間は2年11ヶ月です。アップルケアに入っていないので実費交換となりますが、アップルケアの保証期間は2年間ですし、その期間内に最大容量80%を切らないと無償交換にならないようなので、どちらにせよ通常の消耗によるバッテリー交換は実費になるのではないかと。費用は12,200円でした。

 

日曜夜にヤマト運輸に預けて返ってきたのが金曜夜。返却されたのは交換品でした。見た目は新品同様で、バッテリー最大容量も100%になっていました。シリーズ5でも機能自体に不満はないので、これであと2−3年は使う予定です。

カテゴリー: iPhone | コメントする